エピローグ' ページ34
僕が全部を話し終えたのは、夕食の照り焼きチキンが食べ終わって、僕の特製デザートを2人で頬張っている時だった。
『てことはさ〜、同じくらいの時期から意識し始めて、同じくらいの時期から好きだったの？』
「そういうことになるね」
『ふーん、もっと早く好きって言ってればよかったなぁ』
「どうして？」
『だって、そしたらもっと恋人として一緒に居られたでしょ？』
僕がこんなに恥ずかしがって話しているというのに、Aちゃんは無限に畳み掛けてくるようだ。
僕が好きなのはそんなAちゃんなんだけどね。
『なんでそうやっていつもすぐ黙るの〜？！』
「いつも、って、僕そんなにいつも無視してる？」
『無視とは言わないけどさぁ〜、聞いてそうなのに答えてくれないことは結構あるよ？！』
「…ふふ、そっか、気にしてたのか、ごめんね？」
『なんでってきいてるの！』
「Aちゃんこそ僕によくなんでなんでって聞いてくるよね」
『それは問くんが物知りだから頼ってるんだよ〜。で、話そらさないでよ！』
「Aちゃんもクイズ強いくせに？？」
『もー！！それはもういいの！たまに答えてくれない理由を教えてよ〜もう〜』
「Aちゃんがが可愛いこと言うから、頭の中で情報処理が追いつかないだけだよ」
『やばい全然わかんない、どういうこと？』
「名前覚えて驚かれた時は不自然だったかなって頭の中でグルグル考えてたし、浴衣姿見た時は可愛すぎて息を飲んでたし、会えて嬉しいって言われた時は可愛すぎて悶えてたし、」
『あーーーーもういい！！！恥ずかしい、から、やめよ？その話』
「Aちゃんが知りたいとか言ってきたんじゃん」
『あんまり可愛いって言われすぎると恥ずかしいから、』
「えーなに、照れてるの？もっと顔見せてよ〜」
『なんでそんなに平然としてられるの！』
「僕がいちばん恥ずかしいよ、僕の心の中覗かれたんだから」
顔を隠しているAちゃんの指の隙間から、赤らんだ頬が見え隠れしている。
「顔赤いよ〜可愛いねえ」
「早く食べないと、パフェのアイス溶けちゃうよ？」
『むーーーわかった…』
アイスのために渋々手をスプーンにかける。
まだ少し赤い顔が可愛かったけど、言うとまた怒られそうだから、
この可愛いAちゃんは僕だけの秘密。
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作者名：莉愛 | 作成日時：2024年1月21日 21時
