Ep.1_ ページ4
高2、冬休み。
まだ友達と遊ぶ余裕はあるものの、さすがに勉強し始めないとヤバい感じになりそうだ。
私文選択にしては珍しく地理が好きだった私は、このころには地理含めた英国社3科目以下で受験できる大学を探していた。
『東京都立大学＿＿＿＿』
どっかで、聞いたことあるな。
あ、ここ、国公立なんだ。
え、3科目で行けちゃうんだ。
どこで聞いたんだっけ。誰かの志望校かな。
思い出せないまま塾に行き、授業を受け、夜になり、今日もまた寝ながらQuizKnockの新着動画を見る。
『問ちゃんだ…！！』
思わず声が漏れる。
そう、最近私がハマっているのがこの双子。
2人が出演し始めてあっという間に見分けがつくようになり、推しの問ちゃんを見間違えることなんて到底ありえないくらいだ。
2人の中でも、特にわたしは問ちゃんがすき。
ふわっとしてるのに論理思考がバチッとハマるのがかっこいい。
こんな人になりたいなぁ。
動画を見てると、ふと思い出した。
『＿＿＿＿問ちゃん、都立大じゃね？？？？？？』
気づいてから志望校の順位を変えるまで、1日もかからなかった。
次の日の塾の面談で、早稲田を第2志望にして、都立大を第1志望にすることを先生に相談した。
まだ時間あるし、絶対いけるよ、って言ってくれた。
問ちゃんになりたい。問ちゃんと同じ環境でクイズをしてみたい。
中高一貫で、クイ研がなかった私の学校では、クイズは自分の趣味でやるしかなかった。
ずっとQuizKnockが好きだった私は、早押しクイズゲームアプリを懲りずに続け、基本的にはランキングの上位常連。いつもSランクだ。
私、都立大行ったら、問ちゃんと張り合えるんじゃないか？
早稲田のプレイヤーが頑張ってるのより、都立大の後輩が頑張ってるの方が、認識してくれるんじゃないか！？！
不純な動機すぎるけど、高2で選択の余地が無限大だった私は、同じ環境でクイズをしたいという建前のもと、どうしたら問ちゃんに存在を知ってもらえるのかを考えた。
都立大、行こう………！絶対受かってやる！！！！
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作者名：莉愛 | 作成日時：2024年1月21日 21時
