【QK】憧れだけじゃ終われない！(w/mn) (ページ26)

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Ep.4'_ ページ26

今日は僕が主催するクイズ大会の日だ。

何ヶ月も前から友人と作問やらなんやら準備を重ねてきて、やっと本番なのだ。

Aちゃんに会いたいという下心を隠しながら、やっぱり大学のサークルには声をかけておく。

当日、控え室をまわっていると、都立大の後輩の近くにAちゃんを発見した。

後輩には、ちょっと僕がAちゃんと話すための踏み台になってもらって。ごめんね？

後輩と少し話してから、なにやらパソコンとにらめっこしてるAちゃんを、小声で呼んでみる。

「Aちゃん！おーい！Aちゃーん！」

声の主が分からず困惑して辺りを見渡すAちゃんの視線が、僕を捉えた。捉えられた。

『…！あ！！問先輩！！お久しぶりです！！！名前、覚えててくださったんですか！？』

え、そんなに名前覚えてるのって不自然？何回か会ってたらさすがに覚えてるくない？

てかみんなこんな可愛い子の名前、すぐ忘れちゃうの！？

「あ、………ふふ、もちろんだよ。僕がAちゃんの名前忘れる時には言ちゃんの名前すら忘れてるくらいには、ちゃんと覚えてるから！笑」

ちょっと攻めすぎたかな、と思う。

双子の弟と同じくらい忘れないとか重すぎ？
いや、あんま違和感ないよね。うんうん。大丈夫っしょ。

『えへへ、嬉しいです笑
問先輩が主催されてるって聞いて、先輩に会えるのを楽しみにしてました！今日はよろしくお願いします。』

ヤバ、僕に会えるの楽しみにしてたの？

社交辞令でも真に受けちゃいそう。Aちゃんは真面目だから社交辞令だ、よね？それでも……嬉しいなあ。

僕も会いたかったよ、僕は本当に会える機会を探してたからね！？

それでも僕は、真に受けてるのがバレなさそうな返答で誤魔化す。

「そうだったの！？うれしいなぁ〜
頑張ってね、都立大の先輩として応援してる」

本当は、Aちゃんのこと応援してるって伝えたかったんだけど。

“都立大の先輩として”なんて、便利な言葉に頼ってしまった。

『ポムポムプリンくん！！』

ﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ！！！

Aちゃんの声と、正解のベルが鳴り響く。

「優勝は、東京都立大学1年生の滝本Aさんです！」

Aちゃんは、本当に優勝した。

順位発表の時、僕はトロフィーを手渡した。

「Aちゃんおめでとう、後で話そう！」

ちょっと勇気を出して、不自然にならないように誘ってみた。