出逢った日から、ずっと

知らなかった噂 ページ10

私と翔平くんは好き同士だと思われてたのか…？
その日の夜も考えてみたけど好き同士…なんてことはあり得ない訳で。


次の日1年生から同じクラスで仲が良い友達に聞いてみることにした。



「あのさ、1個上の大谷翔平って知ってる？」

「うん、知ってるよ。」

「私と、その大谷先輩との話とか…聞いたことある？」

「あるよ、と言うか今更？」

「え！あるの！？私全然知らなかったんだけど…」

「えー？私達が1年の頃から有名な話だよ。」

「えっ、知らない知らない、聞いたことないよ。」

「Aと大谷先輩は両思いで誰も2人には勝てっこないって。」



だからみんな最初から負けるのが分かってるから2人に告白しないんだよ〜と普通に言ってのける友達。
待って待って、何でそんな噂が独り歩きしてるの！？しかもだいぶ前から！？


そこからだいぶ経って1ヶ月後。
久しぶりに翔平くんとタイミングが合って一緒に帰っていた時
そんな噂も忘れて他の話をしていたけどふと思い出して翔平くんに聞いてみることにした。





「翔平くん。」

「ん？」

「私達学校で噂になってるの知ってた？」

「噂？なんの？」

「その…、私達が、好き…？同士みたいな…」




ゴニョゴニョと途切れ途切れに呟く私。
それに対して翔平くんはあっけらかんと


「うん、知ってるよ。と言うかそれだいぶ前からでしょ。」

「え！？知ってたの？」

「うん、Aも知ってると思ってたけど。」

「しっ、知らない知らない、何で訂正しないの！？」

「え、別に困ることじゃないから？」

「…？いや、困るでしょ、そんな有り得ないこと言われたら。」

「……Aは嫌なの？」

「…い、嫌じゃないけど……。」

「ならいいじゃん。もうこの話はおしまい。」


勝手に話を終わらせた翔平くんはこの前の試合の話をし始めたけど、私は理解が追いつかなくて適当に相槌だけうっておいた。

なんで翔平くんは訂正しないんだろう…？

遠ざかって行く→←有名な彼と私

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す