わずかな望み ページ19
そして法事の間、親戚との食事、いとこのお守り、おばあちゃん家での日常
全ての時間をしょげにしょげて過ごした私を見かねたお父さんがお盆最終日のお昼前ににおばあちゃん家を出ることにしてくれた。
まだまだいとこ達や叔母さんは残っていたけど私の見事なしょげっぷりに笑いながら見送ってくれた。
そんなお父さんの粋な計らいも見事なまでの渋滞で水の泡となった。
かよちゃんに聞いた話によるとお盆の最終日には翔平くんが帰るらしく…。
やっと家に着いた時にはもう空は真っ暗になっていた。
翔平くんの家には車もない。
ああ、もう帰っちゃったんだ…。
翔平くんの家を遠目に眺めてると段々視界がぼやけてきて。
自分自身、泣くほど会いたいと思っていたなんて気づかなかった。
ぼやけた視界のまま、早く家に入りなさいって言うお母さんの声も無視してボーッとしていると翔平くんの家の玄関の電気がついた。
かよちゃんかなー?なんて思いながら見ているとなんだかかよちゃんよりも大きい影が近づいてきた。
涙で視界はぼやけてるし、暗いしで顔が全く見えなかったけど翔平くんだってすぐ分かって余計に涙が出てきた。
そんな私を見て笑ってる翔平くんの声が聞こえた。
「Aおかえり。」
「こっちのセリフだよ……、翔平くんおかえり。」
ひどく泣き腫らした顔だと思うけどそんなこと構わずに翔平くんを見上げる。
私の顔を見て笑った翔平くんは優しく撫でてくれた。
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みねるば(プロフ) - きまさん» 初めまして!いつも読んで頂きありがとうございます!素敵なコメント本当に嬉しいです…! (2023年4月12日 23時) (レス) id: 70cdba34fe (このIDを非表示/違反報告)
きま(プロフ) - はじめまして!いつも楽しみに読んでいます!みねるばさんの書くお話が大好きです!これからも応援しています♡ (2023年4月12日 23時) (レス) @page37 id: f0d962c024 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みねるば | 作成日時:2023年4月2日 16時