バレンタイン ページ6
「Aはバレンタイン誰にあげるの」
この前降った大雪がまだ溶けきらず田んぼに少し残っているくらい寒い冬。
私と翔平くんはマフラーぐるぐる巻きで徒歩で帰っていた。
最近朝は地面が凍って危ないから歩きで通学するように、と学校から連絡があってからは朝に翔平くんが我が家のインターホンを鳴らして迎えに来てくれて行きも帰りも一緒に帰っていた。
そんな時に翔平くんの口から出たのはバレンタインの話題。
ああそう言えば1週間後バレンタインだったなと思い出す。
「誰にもあげないけど。あっ、友達にはあげるかも。」
「ふーん。」
聞いといてそれかよ!と思いながらも黙り込んだ翔平くんを不思議に思いながら歩く。
10歩くらい進んだ時。
「俺にもちょうだい。」
「チョコ?」
「うん。」
「翔平くん私からもらわなくてもいっぱいもらえるでしょ!笑」
いっぱい食べ過ぎて鼻血出ちゃったりして!あっはっはと笑いながら歩いていると翔平くんに腕を掴まれて止まる足。
掴まれた勢いのまま後ろを振り返るといつになく真剣な顔。
いや、野球をしている時の真剣な顔に近い。
「どうしたの?心配しなくても絶対にいっぱいもらえるよ!」
「…俺はAのが欲しい。」
少し頬を赤く染めながらもじっと見てくる翔平くんになんだか少しドキドキした。
きっとお互いに顔が赤くなってたに違いない。
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みねるば(プロフ) - きまさん» 初めまして!いつも読んで頂きありがとうございます!素敵なコメント本当に嬉しいです…! (2023年4月12日 23時) (レス) id: 70cdba34fe (このIDを非表示/違反報告)
きま(プロフ) - はじめまして!いつも楽しみに読んでいます!みねるばさんの書くお話が大好きです!これからも応援しています♡ (2023年4月12日 23時) (レス) @page37 id: f0d962c024 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みねるば | 作成日時:2023年4月2日 16時