出逢った日から、ずっと

心配 ページ40

留学から帰ってきて私は大学の最終学年の準備をしていた。
最後の大学生の春休みだ。

実家には帰らず家でのんびりして最後の春休みを過ごしていた。


そんなある日のことだった。
洗濯物をベランダから取り込みながら適当につけていたニュース番組のスポーツコーナーのアナウンサーの声を流し聞きしていた時だった。



「日……ムは大…翔平投手……場選手登録を抹消……」


途切れ途切れにしか聞こえなかったけれど『大谷翔平』『登録を抹消』のこの２つが聞こえてきて洗濯物を放り出してテレビの前へと駆け寄った。

アナウンサーは怪我の影響で…と話を進めていくが心配で仕方なくて話があまり耳に入ってこなかった。




すぐさま翔平にメッセージを送った。


相当落ち込んでいるんじゃないだろうか。
私に野球のことで心配されたくないかもしれないけれど怪我と翔平自身のことが心配でたまらなかった。



そんな私のメッセージは既読がつくこともなく返事が返ってくることもなく1日が経った。

その時の私には翔平の様子を聞くことができる人がいる訳でもなく、テレビでもそれ以降の情報は流れず。
ただただ心配だけが募っていた。


次の日の昼。
翔平に迷惑だと思われても…、なんでもいい!と電話帳の【翔平】を押した。


2コール目で発信音が途切れた。


「…翔平っ」

「あ〜、もしもし」


翔平じゃない声が聞こえてきた。

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