警察もとい公安警察です・４【名探偵コナン】

・ ページ6

no side





『はい景！』


「オーライ！零(ｾﾞﾛ)！」


「むんっ、」




ズバンッという音と共にボールは砂浜にめり込む。
３人はいえーいとハイタッチを交わす。




「クッソ……！！また拾われた！！」


「Aちゃんリベロだったってこと……？！」


『え？全部。』


「全部って何！？」




先程から駿東はアタックのことごとくを拾い上げ、
2番目に触ろうものなら完璧なセットアップをし、
隙あれば強烈なスパイクを叩き込んでいた。





「あっ、」


『任せて、』





諸伏のレシーブミスに駿東は砂を蹴る。
あっという間に追いついてボールを上げる。

降谷が打とうと飛び上がる時には
既にコートの真ん中で腰を落とし構える駿東。

もうイキイキしている。




「くそっ……負けた。」


「チーム替え！チーム替えしよ！！」




この後も何ゲームかやったものの、
駿東がいる方のチームが８割がた勝利を収めた。
.




『ふぅ……いい汗かいた。』




駿東は幼馴染み男子組で始まったビーチバレーを
見ている途中でかき氷のゴミを思い出す。

チラリと試合を見ればまだ終わりそうにない。
駿東はよっこいしょと立ち上がる。




置かれたままのゴミをいくつか集めて持ち上げた。




『(あったあった、)』




設置されていたゴミ箱に捨て終え、軽く手を払う。
戻ろうと振り返ると目の前には胸板。しかも複数。

小麦色に焼かれた肌はただの日焼けではなさそうだ。
意図を持って焼いているのだろう。




『…………今どきますね。』




駿東は笑顔で横に移動するが
小麦肌男はなぜか駿東の移動先に動く。




「おねーさん美人でビックリしたわ！え、１人？」


「良ければ一緒に泳がない？」


『いいえ。１人じゃないので結構です。
あともう十分泳いだのでもう良いです。では。』


「待って、待ってよ！
ノーと言えちゃう系女子じゃん！カッケー！」


「じゃあお茶しよ！奢るからさ！」


『要らないです。手、離してください。』




駿東は掴まれた腕に視線を送る。




「え〜お茶もダメ？ならイイことする？」


「うわお前やば！直球〜！」


『……』




駿東はどうやって切り抜けようか考える。
だが学外で問題を起こせばまた面倒である。




『…………あー、彼氏と来てるので。
彼に怒られちゃうので離してもらえます？』


「え、彼氏？どこどこ？」


「本当にいる？」


『ｱﾟｯ、』





駿東は男達の背後の人影を見て変な悲鳴を上げた。

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す