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no side




「くそっ、何で繋がらねえんだよ……!!」




悪態をつきながら松田がマンションを見上げた時、
マンションのワンフロアが吹き飛んだ。




松田はサングラスの奥で目を見開く。
一拍遅れて大きく口を開いた。




「萩原ァァアア!!」


「おう、呼んだか松田!」


「ッは……!?」




よっ、と手を挙げてマンションから出てきた萩原。
さらに大きく松田の目が見開かれる。




「お前……無事で……、ッ怪我は!?何で爆発した!?」


「このとーり!ピンピンしてるよぉ。
さっきの住人が見つかったって報告が無かったし、
タイマーも動く気配無かったから俺も探しに行ってさ、
そしたらドカン!いやぁ、危なかった!」


「ッは……心配かけんじゃねえよ。
防護服も着てなかったし、携帯は繋がらねえし!!」


「ははは、まぁ無事だったんだし許してくれ。」


「ふざけんな!!今回は運が良かっただけだ!!
防護服は着ろって何度も言ってんだろ!?」


「……悪かったよ。次からは気を付ける、」


「……ったく……んで、何で電話は切れたんだ?」




松田は半分呆れたように言う。
萩原は再び考えるような声を出して二パッと笑った。




「分からん!」


「はあ?」


「俺の方でも突然切れちゃったのよ。
何か電波障害でもあったんじゃねえ?」


「……突然タイマーが動いたのも関係あるか?」


「……どうかねぇ。
"動かした"ってことなら犯人の考えが変わったんだろ。」


「……おい、犯人はさっき事故死したって何で知って……
…………携帯に他の異常は無かったのか?」


「携帯は壊れてなんかないし!
……ってあれ?無い……落としたかな、」




ポケットを探りだす萩原。
まるで本当に失くしてしまったように。




「ったく……何してんだよ……」


「おかしいなあー……」




ウロウロ歩き出す萩原に続いて松田も辺りを見渡す。
ふと少し離れた植木のそばに何かを見つけた。

なんだなんだと近づく2人は
それが萩原の携帯電話だとようやく気付いた。




「おー!俺の携帯!」


「何でこんなところに……」


「誰かが拾って置いてくれたんじゃね?
いやぁー良かった!……ほんとに、良かった。」




まるで愛おしいものを見るかのような眼差しで
萩原は優しく携帯電話を握りしめた。




「……?携帯あったし、とりあえず帰るぞ。」


「おう!」




踵を返した松田に萩原も続いて、その場を後にした。

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沙羅(プロフ) - ぴのさん» 初めまして!コメントありがとうございます!なんと!最初から着いてきて下さっていたんですね…!ありがとうございます!!あああ、嬉しいです、面白いって言って貰えるだけで超頑張れます…!もうすぐ続編にいきますので、どうぞこれからもよろしくお願いしますー! (2022年5月3日 13時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - はじめまして!この小説は、始まってからずっと読ませていただいています。とっても面白くて、何度も読み直してしまいます笑オリジナルの部分もとても面白くて、いつも楽しみにしています!お忙しいとは思いますが、これからも応援しています!! (2022年5月3日 11時) (レス) id: dcb92af278 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 空白さん» コメントありがとうございます!長文大歓迎です最高に嬉しいです!!お話は悩みながら構成していたので、そう言って貰えると本当に救われます…ありがとうございます!萩原くんとの絡みも増える予定です!まだまだ更新していきますので、どうぞよろしくお願いします!! (2022年5月1日 18時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
空白 - すみません、思い返したところ警察学校編の単行本からのようでした…!大変申し訳ありません! (2022年5月1日 17時) (レス) id: faefab430e (このIDを非表示/違反報告)
空白 - 3回に分けた長文コメ失礼しました!これからも更新頑張ってください!!応援しています!! (2022年5月1日 17時) (レス) id: faefab430e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2022年1月3日 2時

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