警察もとい公安警察です・４【名探偵コナン】

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no side




「Aちゃん……！無事で良かった！」


『わ、……心配かけて、本当にごめんね。
卒業式の日も、結局行けなくてごめん。』




萩原はぎゅうと駿東を抱き締める。
駿東も申し訳なさそうに萩原の背中に手を回す。




「……Aちゃん、凄いクマだ。ちゃんと寝てる？」


『……あはは、』




親指の腹で目元を撫でる萩原に、
寝てる、なんて大嘘は言えず笑って誤魔化す駿東。




「……色々聞きたいけど、とりあえず何でここに？」


『誰かさんが防護服を着ないってずっと聞いてて。』


「う……」


『たまたま通り掛かったら見慣れた姿があったから
こっそり後を追いかけて来た。』


「んん……松田に聞いてたってワケね……」


『萩くん無茶し過ぎだよ。』




きまりが悪そうに咳払いをする萩原を見て
駿東はクスクスと笑う。




「この際、言い訳は出来ないから素直に謝るよ……
……でもAちゃん、とりあえず下降りよっか。」


『ふふ、やだ。
何のために人払いしたと思ってるの？』


「！ まさか取り残された女性ってAちゃんが？」


『まぁね。』




そう言って萩原に見せた携帯電話の画面には、
下で駿東を待っている先輩宛のメールの文面。

要約すると、15階に知り合いが取り残されていると
近くの警察に報せてくれ、というもの。

15階と指定したのは、
より近い階にいる萩原や爆処の人達を向かわせるため。
……というのが1つ目の理由である。




『さて……萩くんの同僚さんが戻る前に話すね。
とりあえずこの爆弾は爆発する。』


「！？」


『だから私達以外を人払いさせた。
この爆弾、犯人にタイマーを止めさせてるんでしょ？』


「何でそれを、」


『やっぱり。……私が送ったメールに返信が来たの。
"タイマーは動いてるって勘違いされそうな報道が
カーテレビで流れてるけど大丈夫か"って。』


「！」


『……今この状況は危険すぎる。
"これ"で命を繋いでるって言っても過言じゃない。』




そう言って駿東は通信機能抑止装置を爆弾の横に置く。




「……万が一がある、ってことか。」


『そう、！』




爆弾から離れた時、駿東の携帯が着信を報せる。
メールの内容は、
「電話あり犯人事故死。起爆装置未所持。」の2文。
先輩刑事が無線を盗聴したらしい。




『……これはまずい、』


「Aちゃん……？」


『萩くん、これ以上の滞在は無理。降りるよ。
これ複数犯だから、早く。』




駿東は萩原の背中を押した。

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