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no side
「そっちは終わったのか?」
«ああ。開けてみたら案外単純な仕掛けだったからな。
あの程度なら───»
「「3分もありゃ十分だ」だろ?」
«チッ……»
「はは!」
«そっちはどうなんだ。»
松田の問い掛けに、萩原は目の前の爆弾に目をやる。
「こっちは3分って訳にはいかないようだな…
基本的には単純なんだが、何しろトラップが多くてな。
どうやら、こっちが本命だったみたいだな……」
«ところでお前、ちゃんと防護服は着てるんだろうな。»
「はははっ!あんな暑苦しいもん着てられっか!」
«ばかやろう!死にてぇのか!»
当然の怒号に萩原は携帯電話を耳から離す。
「……ま、そん時は仇を取ってくれよ。」
«……怒るぞ。»
「ははは、冗談だよ、冗談。
俺がそんなヘマする訳ねーだろ?」
«とにかく、さっさと終わらせて降りてこいよ。
いつもの所で待ってるからな。»
「お、いいねぇ!
そういうお誘いとあらばエンジン全開といきますか!」
«──!──!»
「おい、どうした?」
松田の背後が急に騒がしくなり、
萩原も不思議そうに尋ねる。
«……何ィ!?取り残された奴がいる!?
避難は完了したんじゃなかったのかよ!»
「は!?」
«萩原!お前いま20階だったよな?
15階の住人が取り残されてるらしい!
下から行くよりお前らの方が速い!行けるか?»
「部屋は!」
«分からないらしい!
待ち合わせしてた知人がいない事に気付いたらしい。
その人は難聴気味らしく避難勧告が聞こえなかった
可能性がある。»
「なるほどね。んじゃあ俺が爆弾を見ておくから……」
そう言って萩原は周りの同僚達を見る。
5人の同僚は頷いて階段へ向かって行った。
「これで何かあったら大問題だな。」
«こっちで住人の人数は確認してたらしいのに妙だ。»
「それは確かに。」
«……に…ザザッ…服は……»
「お、おい?」
«聞こえ……ザザザッ、…原!ブツッ……»
「松田?おい松田!
……おいおい、何で圏外になってんだぁ?」
『……通信機能抑止装置。
今からの会話は聞かれるとまずいからね。』
突如聞こえてきた声に、萩原は驚いたように
携帯電話の画面から顔上げ振り返る。
「え……Aちゃん!?
何でここに、ていうか今までどこに……」
『……ごめんね。』
ふ、と悲しげに微笑んだ駿東に
思わず萩原は立ち上がって駆け寄った。
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沙羅(プロフ) - ぴのさん» 初めまして!コメントありがとうございます!なんと!最初から着いてきて下さっていたんですね…!ありがとうございます!!あああ、嬉しいです、面白いって言って貰えるだけで超頑張れます…!もうすぐ続編にいきますので、どうぞこれからもよろしくお願いしますー! (2022年5月3日 13時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - はじめまして!この小説は、始まってからずっと読ませていただいています。とっても面白くて、何度も読み直してしまいます笑オリジナルの部分もとても面白くて、いつも楽しみにしています!お忙しいとは思いますが、これからも応援しています!! (2022年5月3日 11時) (レス) id: dcb92af278 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 空白さん» コメントありがとうございます!長文大歓迎です最高に嬉しいです!!お話は悩みながら構成していたので、そう言って貰えると本当に救われます…ありがとうございます!萩原くんとの絡みも増える予定です!まだまだ更新していきますので、どうぞよろしくお願いします!! (2022年5月1日 18時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
空白 - すみません、思い返したところ警察学校編の単行本からのようでした…!大変申し訳ありません! (2022年5月1日 17時) (レス) id: faefab430e (このIDを非表示/違反報告)
空白 - 3回に分けた長文コメ失礼しました!これからも更新頑張ってください!!応援しています!! (2022年5月1日 17時) (レス) id: faefab430e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2022年1月3日 2時