警察もとい公安警察です・４【名探偵コナン】

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no side




『……夕飯はね、うん。
もう寝るだけだから抜いても問題ないよね。うん。

でも朝！朝ご飯は大事！分かってる！
だがしかし……だがしかしだよ……』




駿東はサッとシャワーを浴び終え、洗濯機を予約し、
あとは寝るだけの状態で冷蔵庫を眺めた。

中には先程入れたばかりの
申し訳程度の食材が並んでいた。




『作れない……！！』




駿東はガッデム！！と叫んでゴツンと壁に拳を当てる。




『……みそ汁……なら、いけるか……？
調理実習で何回か作ったことあるもんね……？』




駿東は震える手で味噌のパックを手前に置く。
その横に豆腐を並べて置いた。




『味噌は確か最後に入れる……よね？
何でかは知らないけど……
あれ……出汁？出汁はいつ？沸騰前……後？
……まぁいつでもいいか。』




それから備え付きの電子レンジの横に
パックご飯を置いた。




『よし……景に言われたことを思い出せ私。

「作り方を見たらその通りにした方が良い。
自分なりのアレンジはレシピ通りに出来てから。」

……よし。500Wで2分。ん？？ダブリュー……？？
この電子レンジでダブリューはどこで設定するの？？』



諸伏の声真似は地味に似ていた。
ちなみに「ダブリュー」とは「ワット」である。
さすがに分かってくれ２２歳。




『使ったことないメーカーだから分からないんだよ。
仕方ないよね、うん。』




ぶつぶつと呟きながら駿東は電子レンジをいじる。
やっと「W」を設定するボタンをみつけ
何とかこれで電子レンジを使えるようになった。




『これで明日の朝ご飯は確保できた……
今度は炊飯器でご飯を炊こう。使い方を調べてから。』




駿東は備え付けの炊飯器を見て
そっとその横に取扱説明書を置いた。




『……よし寝よう。』




駿東は静かな部屋を見渡して呟く。




壁に掛けられたスーツの横を通り過ぎ、
下に置かれた鞄を横目で確認する。




駿東は真新しい布団に潜り込んで
暗い天井をぼんやりと眺めた。




『(今頃……皆は何してるのかな。
きっとまだ呑んでるんだろうな……良いな……)』




カチ、カチ、と秒針の音が部屋に響く。
駿東はぎゅっと目を閉じて息を吐いた。





『(もっと……一緒にいたかったな…………)』





目の端からほんの少しだけ涙がこぼれ落ちた事に
気付かないフリをして駿東は眠りに落ちた。






──────

翌朝、当然のごとく味噌汁を吹きこぼし
パックご飯は軽く焦げた。

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