警察もとい公安警察です・４【名探偵コナン】

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no side





『はぁ……』


「さっきまで新しい部屋だって喜んでたくせに
そのテンションはどうしたんだ。」


『……もう19時。』




駿東の小さな声に、降谷も腕時計に目を落とす。
それから目を閉じそうだな、と呟いた。




「……きっと、分かってくれる。」


『うん……』


「……確かに会えなくはなるが、
僕達からは皆の存在を確認することは出来る。」


『うん……』




そう返事はするものの、駿東の顔は浮かない。
が、次の瞬間、駿東は勢いよく自分の頬を叩いた。




「！？」


『……ごめん、落ち込んでても仕方ないよね。』




駿東はへらりと笑って降谷を見る。
瞳の奥には覚悟が見て取れた。




『皆を護るって約束した。
だから、今から力をつけておかなきゃ。』


「……ああ。」




ふ、と微笑んで降谷は立ち上がる。




「じゃあ僕は自分の部屋に戻る。
何かあったら連絡してくれ。」


『ありがと、零。』


「早めに荷解きして、布団で寝るんだぞ。」


『分かってるよママ。』


「ママじゃない。」


『はは。』


「つまらないぞ。」


『よく気付いたね。笑い声と「母」にかけてたの。』


「何年一緒にいたと思ってるんだ。」




ふん、と鼻で笑った降谷は玄関の扉に手をかける。




「……ちゃんと寝ろよ。明日から早いぞ。」


『分かってるよ。おやすみ！』


「まだ早いけどな。おやすみ。」




扉を閉める直前、
降谷は手を伸ばし駿東の頭を軽く撫でる。

その手はまるで割れ物に触れるように優しく、
それでいて存在を確かめるように強く。




パタン、と音を立てて閉まった扉を見てから
駿東はそっと頭に触れる。




『……ありがと、零。』




ふふふ、と嬉しそうに微笑んで
駿東は部屋に戻る。




『ちくしょうダンボールめ…………』




そして置かれたダンボールと対峙する。




駿東は面倒くさそうにダンボールの前に座る。
マジックで「重要」と書かれたものから開けば
生活必需品が詰まっていた。

実は卒業式の後ジェイムズから
私服や「MRE(米軍用携行食)」が送られてきていた。

ちなみにＭＲＥは駿東が好んでいるだけであって
特に需要は無い。




『えぇと……これは夜の間に洗濯する服だからよし。
お風呂セットは後で入る時に持っていこう。
……問題は食事だな。』





駿東は遠い目をしてダンボールを畳んだ。

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