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no side




「え、もしかして隠し通せると思ってた?
十年来の付き合いで?幼馴染みなのに?」


「……」


『……』




今すぐにでも正座しそうな面持ちの降谷と駿東。
諸伏の目を欺けるはずがなかった。




『もし……言えない、って言ったら?』


「特に何も。」


『え、』


「だってそれが答えなんだろ?
だったらそれ以上は追求しない。察しもつくからね。」




ふ、と微笑む諸伏に駿東はグッと唇を噛む。




「……隠していてすまない、景光(ヒロ)。」


『わ、私も……ごめんね……』


「気にするなよゼロ。Aちゃんも。
2人の様子で何となく察してたからさ。」




首を横に振る諸伏。
駿東は少し目を伏せていたがハッとしたように
横に立つ降谷を見上げた。




「?」


『えっ……零……えっ、まさか、』


「…………多分、考えてる事はそれで当たってる。」


『えぇ!?』




ギョッとした顔で思わず降谷の腕を掴む駿東。
降谷が小さく痛いと漏らす。




『いや……うん、零優秀だもんね、うん。』




ブツブツと呟く駿東に腕を掴まれたままの降谷。
黙ってされるがまま駿東を見ていた。




「……オレも負けてられないな。」


「『え、』」


「完全に、とは無理だと思うけど……
オレも2人に追いつく。堂々と会いに行ってやる。」




ふふん、と胸を張る諸伏に
駿東は降谷と顔を見合わせる。




「……きっと景光とはすぐ会えるな。」


『うん……!』


「待っててくれ、2人とも。」




諸伏は降谷とかたく握手を交わす。
それから駿東に向き直ると腕を広げた。




『?』


「またしばらく会えないんだから良いだろ?」


『!』




照れ臭そうに言う諸伏に駿東はハッとして
勢いよく諸伏に飛び付いた。




『……せっかく7年ぶりに会えたのに、
半年しか一緒にいられなかった。』


「……そうだね。
でも、今度会った時はきっともう離れないよ。
オレも、ゼロも。」


『……うんッ、』





諸伏は駿東をぎゅう、と強く抱き締めて
ゆっくり手を離した。





「……またな(・・・)、2人とも。」


『う"んっ…またね、景…!』


「ああ……またな、景光……」





最後は笑顔で。
諸伏は微笑んで2人に背中を向けた。

降谷と駿東はその背中が見えなくなるまで、
正門前でずっと見送っていた。





「……そろそろ行くか。Aも呼ばれてるだろ?」


『……うん。行こう。』





2人は裏口へ向かって歩き出した。

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沙羅(プロフ) - ぴのさん» 初めまして!コメントありがとうございます!なんと!最初から着いてきて下さっていたんですね…!ありがとうございます!!あああ、嬉しいです、面白いって言って貰えるだけで超頑張れます…!もうすぐ続編にいきますので、どうぞこれからもよろしくお願いしますー! (2022年5月3日 13時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - はじめまして!この小説は、始まってからずっと読ませていただいています。とっても面白くて、何度も読み直してしまいます笑オリジナルの部分もとても面白くて、いつも楽しみにしています!お忙しいとは思いますが、これからも応援しています!! (2022年5月3日 11時) (レス) id: dcb92af278 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 空白さん» コメントありがとうございます!長文大歓迎です最高に嬉しいです!!お話は悩みながら構成していたので、そう言って貰えると本当に救われます…ありがとうございます!萩原くんとの絡みも増える予定です!まだまだ更新していきますので、どうぞよろしくお願いします!! (2022年5月1日 18時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
空白 - すみません、思い返したところ警察学校編の単行本からのようでした…!大変申し訳ありません! (2022年5月1日 17時) (レス) id: faefab430e (このIDを非表示/違反報告)
空白 - 3回に分けた長文コメ失礼しました!これからも更新頑張ってください!!応援しています!! (2022年5月1日 17時) (レス) id: faefab430e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2022年1月3日 2時

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