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駿東はあまりに突然の事で綺麗に海に沈んだ。
パニックを起こさないのは流石といったところか。




『ッ!?ゴボッ……、』




脚の違和感に目を閉じる駿東。
意志とは反対に体はどんどん沈んでいく。

泳げない駿東は上手く上がる事は出来ない。
体を動かすのはやめ、何とか浮こうとする。





「A!!」





駿東の耳に微かに届く降谷の声。
大きな手が駿東の体を抱える。




ザパ、と海面へ引っ張りあげられた駿東は
自身を抱える者にしがみつく。




「A!大丈夫か!」


『う"ぅ……れ"い"〜!!』


「良かった、海水は飲んでないな……」




降谷の首に腕をまわして涙を零す駿東。
よしよし、と降谷は背中を撫でる。




「Aちゃん大丈夫か!?何があったんだ!?」


『ひろ"〜!!あ"し、ひっぱられ"だ〜!!』


「えぇ!?」




降谷と諸伏は辺りに目を配る。
少し離れた所で潜っていたらしい男が顔を出す。

その男はこちらをチラリと見て、
慌てたように浜辺へと向かっていく。




「アイツか……」


「オレ、ちょっと行ってくる。」


『グスッ……ひろ……?』




待ってて、と笑顔で駿東の頭を撫でて泳いでいく諸伏。
降谷は駿東と浮輪を抱えてゆっくり浜辺に戻る。




駿東達が浜辺に辿り着いた時、
諸伏と、合流したらしい萩原と松田の前で
正座する男の姿があった。




「で?何か言いたい事は?」


「すみませんでした……」


「謝って済むなら俺たち警察は要らねぇんだよ。」


「女の子に酷いことするのは許せねぇなぁ。」


「本当に……出来心でした……」




駿東の足を下へ引っ張った犯人は、
イタズラをして驚かせたかった、との事。
人混みの中でやればバレないと思ったらしい。

当然ながら駿東のセコム達が許すはずがない。
尋問の後、海の家へと連行された。




「Aちゃん大丈夫だった?諸伏ちゃんに聞いたよ。」




駿東は大丈夫、と涙を拭う。




『ちょっと、驚いたけど、平気。』


「んじゃ、飯でも食いに行こうぜ。」


『う"ん。』




上手く話を変える松田はデキる男である。




「何が食べたい?」


『かき氷。』


「それはご飯じゃないぞ。かき氷は後でな。」


『……焼きそば。』




もはや諸伏は母親である。
小銭を取り出そうとする駿東より早く、
萩原がサッと支払いを済ませる。




『お金、』


「いーのいーの!女の子にお金は出させないよ ♪ 」


『……ありがとう萩くん。』

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沙羅(プロフ) - ぴのさん» 初めまして!コメントありがとうございます!なんと!最初から着いてきて下さっていたんですね…!ありがとうございます!!あああ、嬉しいです、面白いって言って貰えるだけで超頑張れます…!もうすぐ続編にいきますので、どうぞこれからもよろしくお願いしますー! (2022年5月3日 13時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - はじめまして!この小説は、始まってからずっと読ませていただいています。とっても面白くて、何度も読み直してしまいます笑オリジナルの部分もとても面白くて、いつも楽しみにしています!お忙しいとは思いますが、これからも応援しています!! (2022年5月3日 11時) (レス) id: dcb92af278 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 空白さん» コメントありがとうございます!長文大歓迎です最高に嬉しいです!!お話は悩みながら構成していたので、そう言って貰えると本当に救われます…ありがとうございます!萩原くんとの絡みも増える予定です!まだまだ更新していきますので、どうぞよろしくお願いします!! (2022年5月1日 18時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
空白 - すみません、思い返したところ警察学校編の単行本からのようでした…!大変申し訳ありません! (2022年5月1日 17時) (レス) id: faefab430e (このIDを非表示/違反報告)
空白 - 3回に分けた長文コメ失礼しました!これからも更新頑張ってください!!応援しています!! (2022年5月1日 17時) (レス) id: faefab430e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2022年1月3日 2時

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