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«卒業生退場。»




そんな指示が出され、卒業生たちは立ち上がり
次々と退場していく。

その後は一度教室へ戻り、教官の話を聞いて
それぞれ解散、という流れであった。





「駿東。」


『はい!』




教室の隅で話していた駿東を鬼塚が呼んだ。
その顔は真剣だった。




「……」


『鬼塚教官……?』


「……無茶はするなよ。
いくら成績が優秀だろうと、運動神経が良かろうと、
お前は1人の人間だ。」


『!』


「散々貴様らを見てきて思った。
駿東、お前が一番無茶をしがちだ。」


『はは……』


「……言ったこと、忘れるなよ。」


『……はい!ありがとうございます!』




バッ、と頭を下げた駿東を見て鬼塚は頷く。
そして戻っていい、と静かに告げた。





「A〜ハギワラ君たち下にいるってさ。」


「私達も行こう。」


『うん!』




山田吉崎に促され、3人で階段をおりていく。
駿東は笑顔だったがこの後の事を考えていた。




「お、来た。」


「んじゃ最終確認!今日の夜7時、駅前のビル集合!
飲み放題だから1人三千円!以上!」




萩原の言葉を聞いて頷く8人。




「それじゃあ私達は先に帰るね!」

「また後で〜」




手を振り去ろうとする山田吉崎を見て、
駿東は慌ててその2人の手を握った。




『あっ……』


「「ん?」」


『せ、制服!制服で1枚写真撮っても良い!?
ほら、呑みに行く時は私服でしょ!』


「おー!撮ろ撮ろ!」

「ハギワラ君カメラよろしく。」


「おっけー♪」




駿東を真ん中に山田吉崎が並ぶ。
萩原の合図で1枚の画像が保存された。




『ありがとう!
あ、2人とも引き止めてごめんね。』


「良いよ良いよ!」

「むしろありがとう〜!」


『…………じゃあね、2人とも。』


「ん!またねA!」

「また今夜!」




手を振って警察学校の敷地を出ていく2人。
駿東はその背中が小さくなるまで黙って見ていた。




「ってことで俺達も写真撮ろうぜ!」




萩原は「警視庁警察学校」と彫られた石銘板を指す。




「俺はパス。」


「んだよ〜良いじゃんよ陣平ちゃん!最後だぜ?」




萩原が近くにいた人に携帯を渡し植木の前に座る。




「Aちゃんも一緒に撮ろう。」


『うん!』




駿東は諸伏と並んで校名が見えるよう中腰になる。
まだゴネていた松田を伊達が降谷を巻き込んで
中央で首元に腕をまわした。




6人並んだその瞬間をカメラはきちんと記録した。

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沙羅(プロフ) - ぴのさん» 初めまして!コメントありがとうございます!なんと!最初から着いてきて下さっていたんですね…!ありがとうございます!!あああ、嬉しいです、面白いって言って貰えるだけで超頑張れます…!もうすぐ続編にいきますので、どうぞこれからもよろしくお願いしますー! (2022年5月3日 13時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - はじめまして!この小説は、始まってからずっと読ませていただいています。とっても面白くて、何度も読み直してしまいます笑オリジナルの部分もとても面白くて、いつも楽しみにしています!お忙しいとは思いますが、これからも応援しています!! (2022年5月3日 11時) (レス) id: dcb92af278 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 空白さん» コメントありがとうございます!長文大歓迎です最高に嬉しいです!!お話は悩みながら構成していたので、そう言って貰えると本当に救われます…ありがとうございます!萩原くんとの絡みも増える予定です!まだまだ更新していきますので、どうぞよろしくお願いします!! (2022年5月1日 18時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
空白 - すみません、思い返したところ警察学校編の単行本からのようでした…!大変申し訳ありません! (2022年5月1日 17時) (レス) id: faefab430e (このIDを非表示/違反報告)
空白 - 3回に分けた長文コメ失礼しました!これからも更新頑張ってください!!応援しています!! (2022年5月1日 17時) (レス) id: faefab430e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2022年1月3日 2時

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