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『もし……この情報が意図的にもたらされたとしたら
皆も危ない、と思うんだけど……
特に班長と萩くんなんて現場に行ったわけだし、』


「ああ、それなら大丈夫!」


『えっ?』





萩原の明るい声に駿東は頓狂な声を上げ目を見開く。





「俺と班長は聞き込みをする時に
"施設にいた小学校時代の友人の死について知りたい"
って前置きして話してっから!」


「"亡くなった"友人についてだから、
生きてる駿東とは簡単には結び付かねぇぜ。」


「もちろん、警察学校生ってことも伏せてるよ。」


『そ、そっか……ありがとう……』





ほ、と息を吐く駿東に萩原と伊達はニッと笑う。





「……んで?集めてきた情報はどうだったよ?
"守秘義務"とやらと関係あったか?」


『それ話したら守秘義務じゃなくなるんだけど……』




苦笑いで松田を見る駿東。
それから咳払いをして5人を見た。




『……あったよ。報告しなきゃいけないレベルで。
こんな危険なことをさせてごめんなさい。』




駿東は深く頭を下げる。
強く握られた手は小さく震えていた。

大切な仲間を危険に近づかせてしまったことを
駿東は未だに悔いていた。
こればかりは、皆が許しても駿東自身は許せなかった。




「A。」




皆が押し黙る中、降谷が前に出る。
名前を呼ばれた駿東は顔を上げ降谷の顔を見る。




「Aのことだから、僕らを危険に晒してしまうとか
まだグズグズ思ってると思うんだが……」


『ウッ……』


「そんな事は気にしてないと何度でも言う。
……それよりもAが突っ走らないようにしてくれ。」


『!』


「Aがアメリカで1年連絡が取れなかった間、
僕と景がどれだけ心配したと思ってるんだ?
また同じことを繰り返すつもりだったら許さないぞ。」


『えっ、あ……あれは、携帯電話が壊れて……』




少し前の話に駿東は慌てたように弁明する。




「嘘は良くないなぁ。」


『ひぇ……』


「"心当たり"から逃れてたアメリカで、
その連絡出来ない期間は何かあったんだろ?」




確信を得てそう言っているであろう諸伏の目を見て、
駿東は2人には敵わない、と苦笑する。




『……そう。"彼ら"の動向が掴めなくて息を潜めてた。
でもその間に日本で火事を起こしてた。見当たらない
私をおびき出すつもりだったんだと思うよ。』




駿東は憂いを帯びた顔でそう呟いた。

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沙羅(プロフ) - ぴのさん» 初めまして!コメントありがとうございます!なんと!最初から着いてきて下さっていたんですね…!ありがとうございます!!あああ、嬉しいです、面白いって言って貰えるだけで超頑張れます…!もうすぐ続編にいきますので、どうぞこれからもよろしくお願いしますー! (2022年5月3日 13時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - はじめまして!この小説は、始まってからずっと読ませていただいています。とっても面白くて、何度も読み直してしまいます笑オリジナルの部分もとても面白くて、いつも楽しみにしています!お忙しいとは思いますが、これからも応援しています!! (2022年5月3日 11時) (レス) id: dcb92af278 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 空白さん» コメントありがとうございます!長文大歓迎です最高に嬉しいです!!お話は悩みながら構成していたので、そう言って貰えると本当に救われます…ありがとうございます!萩原くんとの絡みも増える予定です!まだまだ更新していきますので、どうぞよろしくお願いします!! (2022年5月1日 18時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
空白 - すみません、思い返したところ警察学校編の単行本からのようでした…!大変申し訳ありません! (2022年5月1日 17時) (レス) id: faefab430e (このIDを非表示/違反報告)
空白 - 3回に分けた長文コメ失礼しました!これからも更新頑張ってください!!応援しています!! (2022年5月1日 17時) (レス) id: faefab430e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2022年1月3日 2時

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