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no side




「ちなみに施設周辺の防犯カメラの映像に異常は無いが
1箇所だけ故障していたやつはあった。
……何かを仕掛けるならそこだな。」


『その故障も仕組まれてたかもしれないね……』


「ああ……んじゃ俺からは以上。
最後は班長と萩だな。」


「おう。」




伊達は手帳を開く。




「俺たちは施設周辺で聞き込みをして来た。
近隣住民の話によると事件の数日前から施設付近に
外国製の黒い車が停まるようになったそうだ。

時間帯としては早朝、昼、深夜……まちまちだな。
その車の所有者は男だったらしい。」


「車に乗っていたのは黒い服の男女数名……
何せ5年前だからね……皆の記憶も曖昧だったよ。」


『複数犯か……』





頷いた萩原。
それで、と伊達が切り出す。





「ここからが本題なんだが……」





そんな伊達に皆が視線を向ける。





「……最近、外国人の女が施設跡に訪れるそうだ。
それも深夜。事件のあった1時頃に1人で。」


『!』


「その女の特徴は?まさかAと似てるとか……」


「いや、見た目は違う。
プラチナブロンドの髪をまとめていて2〜30代くらい。
暗くて顔はよく見えなかったらしい。」


『プラチナブロンド……外国人の女……』





駿東はぶつぶつと繰り返し呟きながら目を閉じる。
あの日、家が燃えた日の様子を思い浮かべる。


腕に抱えた猫。
居間に血を流して倒れる家族。
家の奥から歩いて来た人物。


長い髪の女と、男が2人。
女の髪は暗闇の中で光るように明るく見えた。
駿東はそこで目を開ける。





『……いたよ、』


「!」


『その人だ、家にいたの。』





あの日との繋がりを感じ、駿東の肩が小さく揺れる。





「……その女は特に何をするでもなく、
施設の跡を眺めているだけらしいよ。」


『……(きっと例の"魔女"だ。髪色も一致する。
施設跡に来るなんて何の目的で……?
まさか……私が日本にいると確認できたから、
おびき出すためにわざと人目に付くように……?
だとしたら皆も危ないんじゃ、)』





黙り込む駿東の肩を諸伏が掴む。
駿東は、ハッと目を見開いて諸伏を見た。





「まだAちゃんを探しに来たって決まってない。
大丈夫、落ち着いて。」


『ッ……うん、』





諸伏は見逃さなかった。

駿東の肩が揺れたことはもちろん、
恐怖と不安で瞳孔が広がったこともだ。

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沙羅(プロフ) - ぴのさん» 初めまして!コメントありがとうございます!なんと!最初から着いてきて下さっていたんですね…!ありがとうございます!!あああ、嬉しいです、面白いって言って貰えるだけで超頑張れます…!もうすぐ続編にいきますので、どうぞこれからもよろしくお願いしますー! (2022年5月3日 13時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - はじめまして!この小説は、始まってからずっと読ませていただいています。とっても面白くて、何度も読み直してしまいます笑オリジナルの部分もとても面白くて、いつも楽しみにしています!お忙しいとは思いますが、これからも応援しています!! (2022年5月3日 11時) (レス) id: dcb92af278 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 空白さん» コメントありがとうございます!長文大歓迎です最高に嬉しいです!!お話は悩みながら構成していたので、そう言って貰えると本当に救われます…ありがとうございます!萩原くんとの絡みも増える予定です!まだまだ更新していきますので、どうぞよろしくお願いします!! (2022年5月1日 18時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
空白 - すみません、思い返したところ警察学校編の単行本からのようでした…!大変申し訳ありません! (2022年5月1日 17時) (レス) id: faefab430e (このIDを非表示/違反報告)
空白 - 3回に分けた長文コメ失礼しました!これからも更新頑張ってください!!応援しています!! (2022年5月1日 17時) (レス) id: faefab430e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2022年1月3日 2時

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