警察もとい公安警察です・３【名探偵コナン】

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no side





駿東はうん、と小さく呟いて
どこか遠くを見るような目をして話し始めた。





『……「お父さん」は男の子が欲しくてね、
女の私が産まれてガッカリしたらしいの。

「お父さん」は警察官だから、
息子にも強くて立派な警察官になって欲しかったと
言っていた、とお手伝いのおば様に聞いた。



「それで離れに？」



『そう……すぐに弟が産まれたから、
私は本当に「要らない子」になった。

世間体もあるし、警察官っていう顔があるから、
渋々でも生かしておくしかなかったんだよね。

だから気付いたら離れにいた。
部屋の前に鉄格子はあったし、
外出も出来なかったけど、食事と風呂はあったし
当時は不自由なかったよ。』





はは、と苦笑する駿東。
だが他の５人は辛そうな顔をする。





『色々な本も貰えたし……
……何故かピッキングとか、専門的な本もあった。
まるで逃げ出せ、とでも言うように。』





そこまで言って、駿東は固まる。
目を見開いて一点を凝視する。





『……警察官ともあろう人が、
金庫の隠し場所を書いた紙を本に挟んで忘れる…？
４、５歳の子どもに専門的な本を与える……？』


「Aちゃん……？」


『！』





諸伏に名を呼ばれハッと意識を戻す駿東。
それから首を横に振って何でもない、と呟いた。





「まぁ……大体の話は理解した。
それで？駿東は今後どうするつもりなんだ？」


『え……？』





伊達に尋ねられた駿東はキョトンとする。
それを見た松田が大きく溜息をつく。





「俺らは萩１人より頼りにならねぇか？あ"？」


『い"だだだだだ、』




グワシ、と頭を掴まれる駿東。
メリメリと音が聞こえる気もする。




『だっ、でっ、でもっ！！話したでしょ！？
「心当たり」がっ、家族と施設に手をかけた！
私と関係のある人達が殺された！！

話を聞いて貰えて楽になったし、嬉しかったよ。
でもこれ以上は皆の命だって危険になる。
もう皆を巻き込む訳には……』


「Aちゃんさー……忘れちゃった？」


『ｯ……？』





スッと駿東を手で制して萩原が苦笑する。





「俺言わなかったっけ？

「ちょっとくらい危険に巻き込まれたって
少なくとも俺達は怒らないし見捨てない」って。

つまりさ、"危険"程度なら問題ない。
だってまだ死ぬって決まってないだろ？」


『そ、それは……』





口ごもる駿東に今度は降谷が口を開いた。

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