・ ページ19
no side
その後を尋ねられた諸伏は
寝てしまったらしく分からない、と答える。
そして押し入れが兄によって開けられたのは
翌日の昼頃だった、と話す。
「兄さんがいたのね？」
「今は長野県警の有能な刑事で、
長野の孔明って呼ばれてるって！」
「俺は関羽の方が好きだけど……」
『やっぱり張飛でしょ。』
「今、三国志どうでもいいから！」
盛り上がりそうな雰囲気を察した伊達が
慌てて制止する。
「それで？
その時、兄さんに犯人の刺青の事は話したのか？」
「いや、その後オレ事件のショックで
軽い記憶喪失になった上に……
失声症にもなってしまったから……」
伊達の問いに諸伏は静かな声で答える。
「そして兄は長野、オレは東京の親戚に預けられ
環境は変わったけど……
しばらく失声症は治らなかったよ……
東京で
２人を見る諸伏。
降谷も駿東も笑顔で諸伏を見る。
「じゃあ
その犯人を捕まえる為に？」
萩原の問いに諸伏は頷く。
「ああ……最近色々思い出して来たし……
あれがどういう状況だったかを警察官の目で
しっかり判断して……
長野にいる兄にその情報を伝えようと思ってね！」
「そうこうしている内に疑わしい３人に
出会っちまったってワケね……」
「あ、ああ……」
そう言って諸伏は３人の特徴を述べていく。
「肩にゴブレットの刺青を入れていた…
金物店を経営している入江さんに…
二の腕に観音像の刺青を入れていた…
クリーニング店を経営している外守さんに…
首の後ろにサソリの刺青を入れていたバイク店員の
確か名前は物部さん……
でもあの犯人が長野じゃなく東京にいて…
しかも偶然オレの周りにいるなんてありえないよね？」
『その３人なら話を聞いてきたよ？』
「え？」
『ねぇ？』
「オウよ！」
「みんなで手分けして……」
「景の敵討ちだからな！」
へらっと笑う駿東に諸伏は目を見開く。
「────っていうか、
そもそも何でオレが両親を殺した犯人を
捜してるって知ってるの？」
「そりゃわかるよ！
いつもネットで「長野夫婦惨殺事件」を
検索しまくってるし……」
「まあ犯人の様子や刺青の詳細は
今、初めて聞いたけど……」
「じゃあ、まずは入江さんを担当した班長から…」
「無口な人で話聞くのが大変だったよ…」
そう言って伊達は調査報告を始めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1900人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
沙羅(プロフ) - イル@iruさん» コメントありがとうございます！そう言って貰えて本当に嬉しいです…！！警察学校組の放送開始に合わせてバリバリ更新するつもりなので、どうぞ今後ともよろしくお願いしますー！！ (2021年12月5日 16時) (
レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
イル@iru - コメント失礼します！面白すぎて一気に読んでしまいました。これから夢主がどうなるか続きが気になります！更新頑張ってください！！！ (2021年12月5日 15時) (レス) @page35 id: 9f7598e3df (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 神崎さん» コメントありがとうございます！！ゆっくり更新になってしまいますが、全力で書かせて頂きますー！！どうぞこれからもよろしくお願いします！ (2021年9月15日 0時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
神崎(プロフ) - 凄く面白いです！！続き楽しみにしてます！ (2021年9月15日 0時) (レス) id: 570d2293d8 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - かるーあ・みるくさん» コメントありがとうございます！！またお会い出来て嬉しいです！！まだまだ続きますので、どうぞよろしくお願いしますー！ (2021年7月14日 21時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：沙羅
| 作成日時：2021年7月13日 15時
