警察もとい公安警察です・３【名探偵コナン】

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no side





「A！！」




ザァッ、と崖を滑り降りた松田は叫ぶ。
松田の視線の先には横たわる駿東。

駿東の横では小さな炎がチロチロと燃え、
灰色の煙が細く上がっていた。





「おい！しっかりしろA！！」





駿東の頬に触れた松田はその冷たさに目を見開く。





「松田……ってA！？大丈夫か！？」


「零！鬼公に連絡しろ！！」





そう言って松田は自身が着ていた上着で
駿東の体を包む。
その振動で駿東がゆっくり目を開けた。





『……陣くん……？零も…………』


「「A！！」」


『ごめん……寝てた、』


「寝んなバカ！！」


『寝起きに罵倒されるなんてあんまりだ。』


「教官、今から来るって。」


「おう。」


『ありがと零……』




それでもやっぱり体は冷えていたようで、
松田の上着をありがたく使う駿東。




「ｯ……！？おい、大丈夫か？」


『え、何が？』


「頭から血ぃ出てんぞ。それから指先も。」


『頭から血！？』




今度は駿東がギョッと目を見開く。
ペタペタと頭を触って痛みに顔をしかめる。




『い"ｯ……！？何で！？』


「オマエなぁ……あの崖から落ちりゃそうなるだろ。」


『気付かなかった……手は昨日の夜からだけど……』




ほへーっと変な声を上げる駿東に
松田も降谷もため息をつく。




「A……他に痛いところはあるか？」


『んー……全身がちょっと痛くて、後は足？』


「なんで疑問形なんだ。」




降谷は駿東の前にしゃがみ、足を出せ、と言う。
駿東は大人しく痛む右足を差し出した。




「……骨は折れてなさそうだな。」


『やったぁ。』


「あそこから落ちて打ち身と捻挫って
オマエ人間じゃねえな。ゴリラか？」


『お？？喧嘩なら買うぞ？？
ゴリラだって怪我するわ。』


「やめろよ２人とも。Aは大人しくしてろ。」


『ハイ。』




スッと姿勢を正した駿東は、
現在の状況を尋ねた。




「教官達が捜してる、くらいしか俺達は知らねえ。
オマエこそ昨日何があったんだよ。」


『んー……まあ、簡単に話すと……』




そう言って駿東は昨夜のことを話す。




「あいつらシメるか。」

「奇遇だな。僕もそうしたいと思った。」

『落ち着けよゴリラ共。』




駿東は真顔で２人を見る。




『とりあえず説明は私からするから……
他言無用でよろしく。』




駿東の真剣な表情に２人は頷いた。

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