・ ページ38
no side
「つ、付き合って下さいっ！！」
「……ごめん。」
「ひどいよ降谷くん！
ゆう子、頑張って告白したのに……！」
とある日。校舎裏で女子数名に取り囲まれる降谷。
降谷は告白なんて慣れたものですまし顔だ。
「もしかして駿東さんと付き合ってるの？」
「Aと？」
「ほら！名前呼びだし！」
「絶対付き合ってるんでしょ！」
ワッ、と騒ぎ立てる女子生徒達。
さすがに降谷も顔をしかめる。
「別に、関係ないだろ。」
「付き合ってるの？付き合ってないの？」
「付き合ってないならゆう子と付き合っても
良いんじゃないの！？」
「……今は誰とも付き合う気は無い。
もう行っていいか？部活があるんだ。」
じゃ、と踵を返す降谷。
その背中にひどい、だのなんだのと
怒声を浴びせる女子生徒達。
そんな様子を見ていた者が２人。
ちょうど渡り廊下の上から、だ。
『ちょークールじゃん。もはや絶対零度。
零だけに。』
「あれでもモテるんだから不思議だよなぁ。
寒い。」
駿東と諸伏だった。
渡り廊下から顔を引っ込めてその場に座る。
『女子の間ではそのクールさがカッコイー♡とか、
あの射抜くような視線がたまらなぁい♡とか
そんな感じで盛り上がってるらしいよ。』
「凄い棒読み。
……Aちゃんはクールなゼロはどう？」
『えー？ゼロはツンデレって知ってるから
クールってしっくりこないな。』
「うーん、そっか。」
ちょっとズレた返事をする駿東。
諸伏もそれ以上の回答を求めるのは諦めた。
『と言うか私は知ってるぞ？
ヒロもなんだかんだで告白されてるって！』
「え！？」
『私のクラスの情報網えげつないから。
で？気になった子いた？』
「い、いない！いないよ！」
『そうなの？
ぶっちゃけゼロよりヒロの方がモテそうだけどな。』
「えぇ！？」
駿東はぐでぇ、と姿勢を崩し空を見上げる。
横に座っていた諸伏は顔を赤くして
しどろもどろである。
『優しいし、面倒見良いし。
凶暴なゴリラよりずっと───あでででで！！！』
「誰が凶暴なゴリラだって？」
『ゼロ！？いつの間にっ、』
「あれだけ話し声が聞こえたら分かる。」
「は、ははは……」
駿東の頭から手を離した降谷もその場に座った。
「Aだって十分ゴリラだろ。」
『乙女に向かってゴリラはない！』
「オトメ……？？」
「オトメ？」
『よしお前ら歯ァ食いしばれ。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1673人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
の〜さん（旧もこ）(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございます(´；ω；｀)無理せずに頑張ってください！ (4月25日 6時) (
レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - の〜さん（旧もこ）さん» ご意見ありがとうございます！一応「救済」路線で書いておりますので、余程のことがない限り……という予定です！駿東ちゃん頑張りますのでぜひ見守ってあげてください！(笑) (4月25日 1時) (レス) id: fccd246cdb (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん（旧もこ）(プロフ) - あと誰にも氏なないでほしいです。 (4月24日 18時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん（旧もこ）(プロフ) - 沙羅さん» コメント返してくださりありがとうございます！LOVEの件もありがとうございます！ (4月20日 17時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - の〜さん（旧もこ）さん» コメントありがとうございます！逆ハー良いですよね♡なるべく多くのキャラクターを出して行けるよう頑張りたいと思います！Loveな雰囲気も出せるよう頑張ります！！更新ゆっくりになってしまっていますが、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします！ (4月20日 17時) (レス) id: fccd246cdb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：沙羅
| 作成日時：2021年5月5日 13時
