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no side






『まさか放課後に掃除をさせられるとは……』


「さっさと済ませて帰ろう。」





駿東と降谷は竹箒片手に校舎裏を歩いていた。
素行不良が目に余るから罰として、と
生徒指導担当に掃除を強制されたのだ。





『授業態度はパーペキだと思うんだけどなぁ。』


パーペキ(それ)死語だぞ。」


『聞かなかったことにしといて。』





ガサガサと箒で地面をはく駿東に、
校舎を囲うフェンスの向こうから手が伸びた。

その手は駿東の腕を掴むと
グイッとフェンスに引き寄せた。





『わ、』


「オイお前。
この中学で生意気な1年2人知らねぇか?」


『生意気な1年……?』





どうやら相手は他中の不良グループらしい。
駿東はそっと降谷を見る。
降谷は微かに首を横に振った。





『えーっと……?』


「男と女の2人組らしい。
最近よく聞くから黙らせねぇとな。

なんでも外国人だってウワサだぜ。
……ん?お前らも外国人か?」


「この学校、ハーフの人が多いんで。
僕ら以外にもいますよ。」




降谷はニッコリ笑って駿東の腕を引く。
相手は駿東から手を離して2人を見る。




「そうか?
あー、そう言えば一緒につるんでる日本人も
いるって聞いたぜ。
冴えない野郎らしいんだが知らねぇ?」


「細っこい男らしいぜ?
ナヨナヨしてて女々しいってウワサ!アハハ!」





ゲラゲラと笑い始めた男子中学生たち。
駿東は一瞬だけ目を細めてすぐに声を上げた。





『……あー!私っ、知ってるかもです!』


「お!マジ?呼んでくんねぇ?」


『こ、怖いですけどっ、頑張って呼びます!
あの……先輩達はちょっとこっち来れますか?』





駿東は控えめに手招きをする。
招き込んだ所は校舎の影である。





『呼んできます!行こ!』


「お、おい……!」





怖い顔をしていた降谷の手を引いて、
駿東は校舎の中へと駆け込んだ。





「どういうつもりだよ?
僕らで黙らせれば良いんじゃ……」


『アイツら、もう敷地内に入ったんだよ。
ふふっ、しかも暴力目的で。』


「……顔怖いぞ。」


『ふふふ、こっちにはね、ゴリ山がいるんだよ。』


「ああ、生徒指導の。」





駿東は生徒指導室の扉を勢いよく開いた。

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の〜さん(旧もこ)(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございます(´;ω;`)無理せずに頑張ってください! (4月25日 6時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - の〜さん(旧もこ)さん» ご意見ありがとうございます!一応「救済」路線で書いておりますので、余程のことがない限り……という予定です!駿東ちゃん頑張りますのでぜひ見守ってあげてください!(笑) (4月25日 1時) (レス) id: fccd246cdb (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - あと誰にも氏なないでほしいです。 (4月24日 18時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - 沙羅さん» コメント返してくださりありがとうございます!LOVEの件もありがとうございます! (4月20日 17時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - の〜さん(旧もこ)さん» コメントありがとうございます!逆ハー良いですよね♡なるべく多くのキャラクターを出して行けるよう頑張りたいと思います!Loveな雰囲気も出せるよう頑張ります!!更新ゆっくりになってしまっていますが、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします! (4月20日 17時) (レス) id: fccd246cdb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2021年5月5日 13時

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