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no side
あっという間に季節は流れて冬になる。
その頃には駿東と降谷はすっかり仲良くなったが、
容姿のせいで虐めのようなものも増えていた。
「終業式なのに5年生に呼ばれたよ……いてて、」
『私は6年生に押されてころんじゃった。』
互いにボロボロな姿を見て吹き出す、
という所までがテンプレだった。
「でも明日から冬休みだな!
そしたらアイツらと会わなくていいんだ!」
『零ケガしなくてすむね!』
「ボクもだけどAもだぞ。
Aだってケンカ強いのにやられてばっかだろ?」
『私の髪と目の色がちがうのは、ほんとだもん。
私はいいの〜』
「ふーん……でもムカつかないのか?」
『んー……でも零がわるく言われたら怒る。』
「!」
駿東はニッ、と笑って持っていた本を机に置く。
その本はジェイムズから贈られた本だ。
『そう言えば鍵盤ハーモニカもってきた?』
「え、あ!わすれてた!」
降谷は取ってくる!と教室を出て行く。
放課後の教室には駿東1人になる。
「お、残ってる。」
『!』
「ホントだ!」
駿東はバッと顔を上げて教室の扉を見る。
そこには上級生の男子児童数人が立っていた。
「うわーホントに髪の毛が黒じゃない!」
「目も灰色じゃん!」
「きもちわる〜」
『……』
駿東は黙って本をランドセルにしまう。
面と向かって言われ傷つかない、と言えば嘘になるが
激昂する程のことでもない。
「あーでもなんだっけ?フルヤはいないなー」
「アイツも金髪で目が青い変なやつだろ?」
「冬休みに入る前に見たかったよなー」
『!』
聞こえたフルヤ、の声に駿東は顔を上げる。
それに気付いた男子達がなんだなんだと
駿東の方へ近寄った。
『……零はヘンじゃないよ。』
「はぁー?
だって髪も目もフツーは黒色だろ!」
「外人なのになんで日本にいるんだよ!」
「そーだそーだ!外人は出てけよー!」
その言葉に駿東は勢いよく立ち上がる。
椅子が大きな音を立てて倒れた。
「ギャッ、」
バキッ、と痛々しい音がして
降谷を変だと言った男子児童が後ろへ飛ぶ。
飛ぶ、と言ってもひっくり返る程度だが、
小学一年生の女子児童の力では普通は無理だ。
「なっ……なにすんだよ!!」
『零をバカにするな!
ハーフだって半分は日本人なんだぞ!!』
駿東は初めて大きな声で怒鳴った。
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の〜さん(旧もこ)(プロフ) - 沙羅さん» ありがとうございます(´;ω;`)無理せずに頑張ってください! (4月25日 6時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - の〜さん(旧もこ)さん» ご意見ありがとうございます!一応「救済」路線で書いておりますので、余程のことがない限り……という予定です!駿東ちゃん頑張りますのでぜひ見守ってあげてください!(笑) (4月25日 1時) (レス) id: fccd246cdb (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - あと誰にも氏なないでほしいです。 (4月24日 18時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - 沙羅さん» コメント返してくださりありがとうございます!LOVEの件もありがとうございます! (4月20日 17時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - の〜さん(旧もこ)さん» コメントありがとうございます!逆ハー良いですよね♡なるべく多くのキャラクターを出して行けるよう頑張りたいと思います!Loveな雰囲気も出せるよう頑張ります!!更新ゆっくりになってしまっていますが、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします! (4月20日 17時) (レス) id: fccd246cdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2021年5月5日 13時