許嫁で純愛 第２章【呪術廻戦】

五十七本 ページ10

no side




「棘もAちゃんに懐いてるよな〜」


「あんまり喋れない同士だからだろ。」


「しゃけっ！」





狗巻は嬉しそうにおにぎりの具を連発する。
Aも微笑ましげに狗巻を撫でる。





「で？何か用があったのか？」


『！』


「俺達の指導、ですか？」


『！！』





伏黒達と自分を交互に指さすAに
指導に来てくれたのだと察する４人。





「久しぶりにAちゃんの指導だな。」


「しゃけ♡」


「今日は負けねぇぞ。」


「(まだ一度も勝ったことないからな……)
…………頑張ります。」





Aは満足気に頷いて体を伸ばす。
それから片手で手招いた。





「ツナマヨ！」


「お、トップバッターは棘か。」


『！』





狗巻がAから離れて向き合う。
構える狗巻とは反対にAは余裕げに立っていた。
その姿は五条にそっくりである。





「じゃあ俺審判。」





間に立ったパンダが手を挙げ、始め、と声を張る。
その声に反応して狗巻がAに向かう。





『 ♪ 』


「ｯ！」





狗巻は自分の速度を活かして攻撃を仕掛けるが
ことごとくAにいなされる。


するりと狗巻の背後に回ったAは
狗巻を抱き締めて勝敗が着いた。





「はい！Aちゃんの勝ち！
…………棘、負けたのに嬉しそうね。」


「おかか。」


「いやいやそんなことなくないでしょ。」


「ほら、交代だぞ。」





真希が狗巻を回収して
今度は真希がAと向き合う。





「いつも通り呪具はアリだよな？」


『！』





真希は持っていた呪具を回す。
Aはグッドサインを出して笑う。





「いくぞーよーい……始め！！」





パンダの合図に真希は呪具をAに突きつける。
Aは軽く頭を振っただけだった。





「ひらひら避けやがって……！」





その後も途切れることない攻撃をする真希だが
Aは軽く手で弾いたりしながら避け続ける。





『……！』


「な"ｯ……」





Aは腕を交差して真希の呪具を掴む。
そのまま自身の捻りを加えて呪具を奪い取った。





「ﾁｯ……参った。……馬鹿力かよ……」


『……』


「真希もだいぶ馬鹿力だけどな。」


「しゃけ。」





ちくしょう、と呟きながら呪具を受け取る真希。
次はパンダが相手だ。





「押忍！」


『！』





今度は真希の合図で対人が始まった。

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