七十二本 ページ25
no side
「……古式、A。」
「え、古式ってあの……!?」
『……』
目の前の人物に驚きを隠せない真依。
まだ二年生の真依は会ったことが無かったからだ。
『葵。』
「!!」
Aは静かな声で東堂の名を呼ぶ。
その威圧感に東堂の目が見開かれる。
そのまま親指でビッ、と自身の背後を指さした。
『わ、か、る?』
「……校舎を壊したことか?
あれは確かにやり過ぎたな。すまない。」
『…………い い た い、こと……それ、だけ?』
「!」
ザリ、と東堂は足を引く。
その場にいた全員の背筋が伸びた。
『…………』
「はぁ……
伏黒を血だらけにしたこと、反省する。」
『…………』
致し方なし、といったように東堂は言う。
そんな東堂にAは顔を寄せろと合図する。
「ヴッ……」
ビチィッ、と痛々しい音がして
東堂が小さく声を上げる。
激痛・デコピンを食らわせたのだ。
「すげぇ音。」
「A先生さすがね。」
「あの東堂先輩が痛がるなんて……」
Aはスっと東堂達の前から退く。
『こ、りゅー……か、い、で……ね?』
「あぁ。」
にこ、と優しく微笑んで手を振るA。
東堂はデコピンされたにも関わらず
Aを不快には思っていないようだった。
今度こそ歩いていく東堂と真依。
それを見送ってからAは真希達に近寄る。
『のばら、』
「先生やっぱ凄いのね!あ、私は大丈夫よ!」
キラキラとした目で言う釘崎に微笑むA。
それからチラリと真希を見る。
「わぁーってるよ。野薔薇、行くぞ。」
「はーい。」
Aは2人を見送り踵を返す。
ててて、と廊下を駆け抜けて応接室に向かった。
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「Aやっと来た〜」
『……!』
「物音の原因見てきたの?
まぁ何となく予想はつくけど。」
『!』
「解決したなら良かった。
さて、楽巌寺学長に会うわけだけど……大丈夫?」
『!!』
Aは力強く頷いてみせる。
楽巌寺はパンダの言う通り上層部の一人。
何度も言うが上層部はAをよく思っていないし、
Aも上層部を嫌っている。
五条がいるから今の状態が保たれているが
もし居なければAは即座に消されるだろう。
それでもAは五条と生徒達の為になら、
自分のことはどうなっても良かった。
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easy R!!(プロフ) - 面白くて一気読みしちゃいました、wこれからも応援してます! (2020年12月20日 18時) (レス) id: 1f230199f3 (このIDを非表示/違反報告)
ななせ(プロフ) - 作品読ませていただいてます!夢主ちゃん可愛すぎるし、五条先生も理想すぎて…妄想に浸っております…笑。これからも楽しみにしてます!!応援してます(*´▽`*) (2020年12月11日 22時) (レス) id: cde300d373 (このIDを非表示/違反報告)
くらくしょん - コメント返し早くて驚きました!涙 ほんとうに応援してますし感動しました!笑 お世辞じゃないですから笑 (2020年12月6日 20時) (レス) id: 15035c8d2a (このIDを非表示/違反報告)
まかろに - これ、、!!!こういうのを待ってたんです、!!!!夢主と登場人物全ての距離感がたまらないし、原作もしっかりおり混ざったストーリーです!!!!だいすき!!続き待ってます、どんなに長いお話でもこれは読めますっ!!!! (2020年11月29日 19時) (レス) id: 4dde0013b7 (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草 - 関係があまりないこと失礼します。アンケートを取られるとこをハプニングと数えるのでしょうか?あ、コミュ症ならエマージェンシーですね (2020年11月28日 12時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年11月21日 21時