四十九本 ページ2
no side
『……?普通の式神召喚術だけど……』
「時差で出現させて操ることが普通だと?
面白い奴だなオマエ。」
『嗚呼……そういうこと。
確かに時差で出現させるのは難しいかもね。』
呆れた顔をする宿儺に
Aは毛先を摘みながら言う。
「何か仕組みがあるのだろう?それが知りたい。」
『……知ってどうするの?』
「何も。ただの"知的好奇心"だ。」
『……そう。』
Aはそう呟いて喉元を
それからゆっくりと話し始めた。
『貴方は私が話せない理由を知っていたよね。』
「喉の呪いだろう。」
『じゃあ何で喉に呪いを
「"生命を人質に取られているから"が妥当だな。」
『当たり。
だから私も、悟くんも手が出せない。
"縛り"と同じ、とAは拳を握る。
あまり嬉しくはなさそうだった。
『一度祓った時に命を抜かれかけた。
その時から髪は白くなった。』
「……髪の色と関係があるのか。」
『恐らく。
髪が白くなった分、
色素が抜けたから、そこが空いた。』
髪が蛍光灯を反射して光る。
宿儺はそれを見てほぅ……と呟いた。
「なるほどな。
ではオマエはその隙間に呪力を溜めているのか。
そうすれば長時間、呪力を持った髪になる。」
『……そう。
でもそれだけじゃ変化はしない。
だから変化させる為の髪も作る必要がある。
1つの髪束に1つの命令だから。
"式神に変化する髪"と
"式神に変化させる指示が出来る髪"をまとめた。
貴方と戦った「夜叉」がまさにそれ。』
「ではその「夜叉」が言っていた
「許可が出た」というのもそれの応用か?」
『……よく覚えてるね。
"私と交信する髪"も混ぜてあった。
遠かったしその機能も付けたから
少し弱くなってしまったけど。』
Aと宿儺の間には微かな緊張感が流れていた。
宿儺の出した"条件"は2つ。
「殺さない」「呪いを抑える」。
Aに課された"条件"は1つ。
「宿儺と話す」。
──────対等では無い。
何かあると考えたAは涼しい顔をしつつも、
いつでも応戦できるようにしていた。
「よく分かった。
古式、オマエの術はとても良い。」
『それはどうも。
でもその"古式"って呼ぶのはやめて欲しい。』
Aの言葉に宿儺は面白そうに笑った。
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easy R!!(プロフ) - 面白くて一気読みしちゃいました、wこれからも応援してます! (2020年12月20日 18時) (レス) id: 1f230199f3 (このIDを非表示/違反報告)
ななせ(プロフ) - 作品読ませていただいてます!夢主ちゃん可愛すぎるし、五条先生も理想すぎて…妄想に浸っております…笑。これからも楽しみにしてます!!応援してます(*´▽`*) (2020年12月11日 22時) (レス) id: cde300d373 (このIDを非表示/違反報告)
くらくしょん - コメント返し早くて驚きました!涙 ほんとうに応援してますし感動しました!笑 お世辞じゃないですから笑 (2020年12月6日 20時) (レス) id: 15035c8d2a (このIDを非表示/違反報告)
まかろに - これ、、!!!こういうのを待ってたんです、!!!!夢主と登場人物全ての距離感がたまらないし、原作もしっかりおり混ざったストーリーです!!!!だいすき!!続き待ってます、どんなに長いお話でもこれは読めますっ!!!! (2020年11月29日 19時) (レス) id: 4dde0013b7 (このIDを非表示/違反報告)
勿忘草 - 関係があまりないこと失礼します。アンケートを取られるとこをハプニングと数えるのでしょうか?あ、コミュ症ならエマージェンシーですね (2020年11月28日 12時) (レス) id: a69079c5f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年11月21日 21時