許嫁で純愛【呪術廻戦】

二十五本 ページ26

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『(指令は大したこと無かった……)』




Aはポンポンとスカートの裾を払って、
消えていく呪術を見ていた。




『(これで出張は終わり……っと。)』




ポチポチとスマホを操作して
担当の補助監督に連絡を入れていく。


補助監督からはすぐに返信が来て
朝一の新幹線を手配したとの連絡だった。




『(こんな時間じゃお店もやってないし……
大人しくホテルに戻って寝よう。)』




Aは明日には五条らに会える嬉しさから
気持ち軽い足取りでホテルへ帰っていった。





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翌日。
呪術高専では
虎杖悠仁が学長、夜蛾正道と面談を行っていた。






「──────「宿儺を喰う」。
それは俺にしかできないんだって。

死刑から逃げたとして、この使命からも逃げたらさ
飯食って、風呂入って、漫画読んで……

ふと気持ちが途切れた時
「あぁ今、宿儺のせいで人が死んでるかもな」
って凹んで、

「俺には関係ねぇ」「俺のせいじゃねぇ」って
自分に言い聞かせるのか？」





虎杖は夜蛾の呪骸に力を込める。





「そんなのゴメンだね。
自分が死ぬ時のことは分からんけど、
"生き様で後悔はしたくない"。」




「……悟、寮を案内してやれ。
それから諸々の警備(ｾｷｭﾘﾃｨ)の説明もな。」




夜蛾が五条に告げる。





「ん？」


「合格だ。ようこそ呪術高専へ。」





そう言って虎杖に手を差し伸べる夜蛾。
僅かに虎杖の気が緩んだ瞬間、
夜蛾の呪骸が拳を振るった。





「あ、スマン。術式解くの忘れてた。」




虎杖が吹き飛ぶ。
倒れた虎杖が顔を上げる時、外と繋がる扉が揺れた。





「お、」


「いかん。悟、鍵を開けろ鍵。」


「いやぁ、多分もう遅いですね。」


「？」





ドン、という大きな音と共に土埃が立ち込める。
五条はケラケラ笑って夜蛾はため息をついた。
虎杖だけは首を傾げて目をこらす。





土埃が晴れるとそこには、
張り手をする様に手を突き出したAが居た。






『……』


「また鍵を壊して……」


「すっげー美人…先生みたいに目隠ししてっけど。」






Aはキョロキョロと辺りを見回して、
五条、夜蛾、呪骸、虎杖を視認する。






『…………！！』






今にも走り出しそうになったAは
すんでのところで持ちこたえる。






『くぅ…………』






……何かと葛藤していた。

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