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十七本 ページ18

no side




「……ッくそ、」


『…………』





結論的には喉に憑いた呪いを祓う方法は無かった。
正確に言うと"無事に祓う"だが。





「札を取ればAが喋らなくても喋るし、
札をしててもAが喋れば喋る……
あのクソ親父……!!」


『ッ…………』





Aは謝るように頭を下げる。
自分も辛いが五条が苦しい顔をする方が辛かった。



そんなAの首には今、
封印の文が書かれた包帯を巻いていた。



それでもなお、"口"がある部分は黒ずみ、
時折動いているようだった。





「……A、必ず祓ってやるからな。
もう少しだけ我慢してくれ。」





Aはコクリと頷いて五条を見た。
父親を祓われることは気にならないようだった。





「じゃあそれまで俺らの会話方法を考えようぜ。
ただでさえAの声が聞けないのが辛ぇのに
会話できないんじゃ生殺しだ。」


『……!……!』





コクコクと頷いたAは
隣に置いてあった紙とペンを持ち上げる。





「筆談が一番正確だけど面倒くさくね?」


『…………』


「…………よし、俺がAの考えを読む!」


『!?』


「俺と会話する時は目を見て。」


『!』




大きく頷いたAが五条の目を覗き込む。
五条もその目を見つめ返した。





「『…………』」




しばらくして五条が突然、後ろへ倒れ込む。
Aが慌てて五条を覗き込むと
五条は腕で顔を覆っていた。





『……!……?』


「やべぇ…………めっちゃ恥ずい……」


『!!』





その言葉を聞いたAもワタワタと手を動かす。
それから思い付いた様に五条の手を引いた。





「……何……?」


『……!』




ぎゅ、と五条に抱き着くA。
両腕は五条の背中に回していた。





『!……!!』


「……Aも恥ずかしかった……?」


『!』


「…………もうこれで会話できるじゃん、」





五条もAを抱き締め返す。
3年しか居なくても、その3年は濃かったゆえに
何倍も信頼感は募っていた。

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りんごりんご - え、神ですか?こんなに作品の組み立てが上手なの、なかなか無いですよ!神ですか?いや神ですよね? (2021年1月31日 18時) (レス) id: f29ad8ba49 (このIDを非表示/違反報告)
くらくしょん - すごくお話をかかれるのが上手なんですね!、読んでいてとても楽しかったです、これからも頑張ってください (2020年12月6日 16時) (レス) id: 15035c8d2a (このIDを非表示/違反報告)
- 深凪さん» めっさ分かる!唇ちょっとピンクいのがめっちゃ可愛くて、五条先生のカッコいい感じとか余裕がある感じとのギャップヤバくてマジえらい。 (2020年11月30日 19時) (レス) id: 78401eb32b (このIDを非表示/違反報告)
深凪 - アニメ作画良すぎですよね!!私も五条先生の唇ぷるっぷるやんって思ってたので同じこと思ってる人がいて嬉しいです(笑)小説とっても面白いです!更新待ってます!! (2020年11月18日 22時) (レス) id: a6413cd937 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 凄い面白いです!無理のない範囲で更新頑張って下さい! (2020年11月18日 16時) (レス) id: 32b6d86f2d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年10月25日 22時

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