四十六本 ページ47
no side
「信じる信じないの話ではない。
これは"縛り"。誓約だ。
守らねば罰を受けるのは俺。
身に余る私益をむさぼれば報いを受ける。
それは小僧が身をもって知っているはずだ。」
「前は大丈夫だったろ!」
「あぁ……
あの時は俺も代わりたかった。
オマエも
宿儺は虎杖に受肉した時を思い出す。
「利害による"縛り"。
呪術における重要な因子の一つだ。」
宿儺はそう説明すると
少し考えるように黙った。
「小僧。
もう一つ、俺がやりたいことがある。」
「はぁ?」
「
ゆえにオマエとアイツに好条件を出そう。」
「アイツ?」
宿儺はまぁ聞け、と立ち上がる。
「古式Aと話がしたい。」
「!!」
「殺そうなどとは一切考えていない。
アイツの式神に興味がある。それを話したい。」
「駄目だ!心臓の件より認められん!」
「……古式とやらはあの術師に次ぐ実力者だろう。
どうせ手を出しても今は返り討ちにされる。」
「ッ……確かにA先生は強いけど駄目だ!」
フン、と怒る虎杖。
宿儺は再びため息をついて条件を出す。
「まず古式は殺さない。
本当に話がしたいだけだからな。
そして小僧。
オマエには古式がなぜ話せないのか教えてやる。
気になっているのだろう?」
「は!?
何でオマエがそんなこと分かるんだよ!!」
「古式はオマエが
入ってきた女だろう?
会った瞬間に原因が分かった。」
どうする、と宿儺は嗤う。
「先生の秘密なら俺は聞けない。」
「はぁ……面倒な奴だなオマエは。
では詳細は伏せる。そして俺と話す間、
古式は普通に話せるようにしてやる。」
それで良いだろう、と宿儺は言う。
虎杖は少し考えてから分かった、と呟いた。
「心臓と、先生の条件を呑む。
何がしてぇのかよく分からんけど、
まぁ生き返るためだしな。」
次の瞬間、虎杖は宿儺の顔面を殴り飛ばした。
宿儺も衝撃で後ずさる。
「なんて言うわけねぇだろ。
無条件で生き返らせろ。先生の件も無しだ。
そもそもテメーのせいで死んでんだよ。」
「……ではこうしよう。
今から殺し合って小僧が勝ったら無条件で、
俺が勝ったら俺の縛りで生き返り古式と話す。」
「「いいぜ」。ボコボコに──────」
キン、と虎杖の頭が飛んだ。
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りんごりんご - え、神ですか?こんなに作品の組み立てが上手なの、なかなか無いですよ!神ですか?いや神ですよね? (2021年1月31日 18時) (レス) id: f29ad8ba49 (このIDを非表示/違反報告)
くらくしょん - すごくお話をかかれるのが上手なんですね!、読んでいてとても楽しかったです、これからも頑張ってください (2020年12月6日 16時) (レス) id: 15035c8d2a (このIDを非表示/違反報告)
百 - 深凪さん» めっさ分かる!唇ちょっとピンクいのがめっちゃ可愛くて、五条先生のカッコいい感じとか余裕がある感じとのギャップヤバくてマジえらい。 (2020年11月30日 19時) (レス) id: 78401eb32b (このIDを非表示/違反報告)
深凪 - アニメ作画良すぎですよね!!私も五条先生の唇ぷるっぷるやんって思ってたので同じこと思ってる人がいて嬉しいです(笑)小説とっても面白いです!更新待ってます!! (2020年11月18日 22時) (レス) id: a6413cd937 (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 凄い面白いです!無理のない範囲で更新頑張って下さい! (2020年11月18日 16時) (レス) id: 32b6d86f2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年10月25日 22時