許嫁で純愛【呪術廻戦】

四十四本 ページ45

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「僕はさ、性格悪いんだよね。」


「知ってます。」


「伊地知、後でマジビンタ。」


「ﾏ……ﾏｼﾞﾋﾞﾝﾀ……？」


『……』





五条の言葉にキリッとした顔で返事をした伊地知。
マジビンタは伊地知の命が危ない。





「教師なんて柄じゃない。
そんな僕がなんで高専で教鞭をとっているか
聞いて。」


「なんでですか……？」





圧が凄い五条。





「夢があるんだ。」


「夢……ですか。」



「そっ。
悠仁のことでも分かる通り上層部は呪術界の魔窟。

保身馬鹿、世襲馬鹿、高慢馬鹿、ただの馬鹿。
腐ったミカンのバーゲンセール。」





五条の言葉にAも頷く。





Aは上層部によく思われていないが、
Aもまた上層部を嫌っている。





「そんなクソ呪術界を、リセットする。
上の連中を皆殺しにするのは簡単だ。
何なら僕が出なくてもA１人で余裕。

でもそれだけじゃ首がすげ替わるだけで
変革は起きない。
そんなやり方じゃ誰も付いて来ないしね。



だから僕は教育を選んだんだ。
強く聡い仲間を育てることを。



ね、A。」





五条はAを見る。
Aは微笑んで頷いた。





「そんなわけで
自分の任務を生徒に投げることもある。」


「(それはサボりたいだけでは。)」


「皆優秀だよ。
特に三年 秤。二年 乙骨。
彼らは僕に並ぶ術師になる。」





Aは強く握られた五条の手元を見て
虎杖のことを考えているのだと察する。





「ちょっと君達、もう始めるけど……
そこで見てるつもりか？」





家入の背後で虎杖が起き上がる(・・・・・)。





五条の口は半開き、
Aは目隠しの下で目を見開いた。






「おわっ！！フル○ンじゃん！！」


「ごごご五条さん！！ぃぃぃぃ生き、」


「クックッ、伊地知うるさい。」





起き上がった虎杖を見た家入はポツリと一言。





「ちょっと残念。」


「あの〜恥ずかしいんスけど…」





五条が立ち上がって虎杖に手を挙げる。





「悠仁！おかえり！！」


「オッス、ただいま！！」




パチン、と２人の手が鳴った。




『うぅ……！！』


「わっ！？」




ハイタッチを終えた虎杖にAが抱き着く。
虎杖は慌ててAの体を支えた。





「A先生！？ちょ、落ち着いて！？」


『うぅ……！！』


「泣いてる！？ごめん先生！！泣かないで！？」


『うぅぅ……』





そんなAを見てちょっと嫉妬した五条だった。

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