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「本当に不審者だったら余計に駄目でしょ!」


「この子こわい!!」


『でも澤村さん達も戻って来てないですし……』


「サームラ君はすぐ来るから林から離れなさい!」





黒尾に羽交い締めされるA。

その時、Aの視線はちょうど裏山に向けられる。






『…………あ、』


「?」






Aは木の影をじっと見つめて口を開く。






『…………いる(・・)。』






その言葉にマネージャー陣の我慢に限界が来て

何名かが悲鳴を上げる。





「う、うわああぁ!!!」


「きゃあぁぁぁ!?」





さらに日向や谷地の悲鳴を聞いて

驚いたメンバー達が逃げて行く。

雰囲気に押された人達も慌てて走って行った。






「A、早く……」


「A……?」





黒尾や孤爪がAの腕を引くも

Aは微動打にせず裏山を見つめていた。





『…………なーんちゃって、驚いた?』


「は……」


「……」


『あはは、こんなに驚くとは思わなかった!』


「お前……!」





はぁ、と息を吐く黒尾。

Aはそんな黒尾と孤爪の背中を押す。





『後でちゃんと皆さんに謝るから許して下さい!』


「ったく……」


「……怒られそ。」





Aやだなぁ、と呟きながら笑う。

しかしその視線は背後の木々に向けられている。





『私さぁ……視えたら言いたい事あったんだよね。』


「んー?」





ゆっくり視線を進行方向に戻し

Aから笑顔が消える。








『"例えアナタが死んでいても、
バレー部の人に何かしたら絶対に許さないから"。』









低い声で、まるで誰かを威圧するように言うA。

ゾワリ、と黒尾と孤爪の背筋が冷える。





『──────って言いたかったんだよね!』





ぱっ、と笑顔に変わったAに

止まりかけていた2人の呼吸が元に戻る。





2人が冷や汗を垂らしながらAの顔を見るも

Aはただただ微笑んでいるだけ。





2人には逆にそれが不気味に見えた。

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シマエナガ - めっちゃ面白いです!これからも執筆頑張ってください!応援してます! (4月11日 16時) (レス) id: 781c1cc313 (このIDを非表示/違反報告)
sky☆ - この話大好きです!これからも応援します! (2022年4月20日 23時) (レス) @page18 id: 9b1daafc8e (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ひにゃ。さん» コメントありがとうございます!全力で挑んで来ます!応援嬉しいですっ!頑張ります! (2020年9月23日 20時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - さっちゃんさん» コメントありがとうございます!頑張って更新しますので楽しんで頂けたら幸いです…!! (2020年9月23日 20時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
ひにゃ。(プロフ) - 受験頑張ってください...!応援しています...! (2020年9月23日 18時) (レス) id: 53ba08356b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年9月7日 18時

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