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澤村side
「よしよし……迎えに来たからな。
もう大丈夫だぞ〜」
『う"んｯ……う"ん"っ……！！』
黒尾の服を握って泣きじゃくるA。
不意に黒尾と目が合う。
「ありがとな澤村。スガ君もありがとう。」
「気にすんなって！」
「おう。見つかって良かった。」
黒尾はしゃくり上げるAの背中を撫でる。
その時ちょうど向こうから音駒のセッター……
孤爪、だったか？が、走って来た。
「よ、良かった……」
『け、研磨、研磨も来てくれた、の……』
「うん。俺も来たよ。ちゃんと見つけたよ。」
『うん……ありがとう……』
さっきから迎えに来た、とか見つけた、とか
引っかかる言葉が多い。
どういう事か、と黒尾を見れば黒尾は頷いて
孤爪にAを預ける。
「研磨、俺は説明するから後頼んだ。」
「……分かった。
A、水飲みに行こ。暑かったでしょ？」
『うん……でも、』
「お礼は後で言えば大丈夫……」
『わかった……』
孤爪に支えられてAは校舎に戻っていく。
残った黒尾はAの姿が見えなくなってから
Aが中学１年生の頃の話をした。
「────あの日、夜遅くに
Aの家が騒がしくなって研磨と見に行ったんだ。
Aん家のじいちゃんとばあちゃんが
「Aが帰って来ない」って外に出てた。
俺と研磨で近所を探したけど見つからなくて、
ダメ元で学校に戻ってみた。
そしたら体育館の外にAの靴があって
慌てて事務室に駆け込んで鍵を開けて貰ってな。
体育館に入ったら器具庫から声がして
そこでAを見つけた。」
黒尾はAが言っていた、と
その先輩達にされた事も話してくれた。
「……酷すぎんべ……」
「ｯ……中１でそれはキツイな……」
いつの間にか集まっていた音駒の部員や
「それ以来、Aは暗所閉所恐怖症になった。
誰か人が居ればまだ平気なんだけどな。」
「そうだったのか……」
「はぁ…………
とにかく本当に見つかって良かった。
マジでありがとな烏野……」
黒尾が頭を下げる。
珍しい黒尾の姿に思わず俺達も姿勢を正した。
「いいべいいべ。
そんな事より黒尾もAの所に行ってやれ。」
「すまん、」
そう言って黒尾も校舎へ戻って行く。
俺は集まっていた部員に向き直って
お疲れ、と声をかけてから皆で校舎に戻った。
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沙羅(プロフ) - ★さん» コメント、ご意見ありがとうございます。典型的な悪女を出して対立させたかったので登場させました。そう思われないよう、今後は気を付けて書いていきたいと思います。参考になるご意見をありがとうございました。 (2021年7月7日 1時) (
レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 姫野？ってキャラいる？いなくても話成り立つしむしろいることによって今までの面白さが無くなって残念です。 (2021年7月6日 22時) (レス) id: 0324f0d530 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ひにゃ。さん» コメントありがとうございます！皆様の応援のおかげで書いてくることが出来ました…！！本当にありがとうございます！入試、頑張ってきます！！ (2020年9月3日 7時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
ひにゃ。(プロフ) - 続編おめでとうございます…！受験生にもかかわらず、更新して下さった主様は神です…！入試頑張ってください…！東京から応援しています…！主様が志望校に受かりますように…！ (2020年9月2日 22時) (レス) id: b37bb85b42 (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - 何となく方言わかった。だらー。 (2020年8月31日 23時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙羅
| 作成日時：2020年8月10日 21時
