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澤村side
『テツ……研磨……！！』
「「A！？」」
物置の中から聞こえてきた小さな声。
スガと顔を見合わせて声が聞こえたことを確認する。
「掛け金がかかってる……」
「鍵がついてなくて良かった、」
ツマミを捻って鍵を外す。
勢いよく扉を開けば座り込むAの姿。
スガが大丈夫か、と手を伸ばす。
『い……イヤァァァァァッ！！！！！』
絶叫と共にスガの手が払われる。
Aの目は大きく見開かれていて
「A……？」
Aは後ずさってダンボールにぶつかる。
手で顔を覆うようにしながら何かを呟いている。
『許して……！！！』
何かに許しを乞う様に叫ぶA。
何だ、何が見えてるんだ？
戸惑った様にこちらを見るスガに離れるよう言い、
黒尾を呼んでくるように頼んだ。
スガが走り去ってから
俺はしゃがんでAを見る。
下を向いて未だに呟いている。
そっと手を伸ばせば
今度は気付いていないのか何も反応は無い。
ゆっくり、優しくAの頭に手を乗せる。
ビク、と肩を揺らしたAは
次の瞬間には置物のように固まって動かない。
手を左右に動かして頭を撫でる。
怖くない。怖くないからな。
「……大丈夫か……？」
『さ……わ、むら、さん……？』
「そう。……もう大丈夫だからな。
すぐ黒尾達もここに来てくれるからな。」
『てつ……』
「そこじゃ暑いだろ？外に出よう。な？」
『そ、と……』
反対の手を差し出せば
恐る恐る手を重ねてにじり出てくるA。
物置の外に出た瞬間、
そのまま地面に座り込んでしまった。
『……すずしい…………』
「そうだろ？」
『うん……』
小さな子どもの様に頷いたAは
遠くから走って来る黒尾に気が付いて顔を上げた。
「Aｯ！！！」
『テツ……！！』
サッと避けてやれば
黒尾は勢いよくAを抱き締めた。
「良かった……良かった……！！！」
『てつ、てつだ、よ、よか……た……
こ、怖かったよぉぉぉ……！！！』
うわぁぁん、と泣き出したA。
Aも泣くんだな、なんて場違いなことを考えた。
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沙羅(プロフ) - ★さん» コメント、ご意見ありがとうございます。典型的な悪女を出して対立させたかったので登場させました。そう思われないよう、今後は気を付けて書いていきたいと思います。参考になるご意見をありがとうございました。 (2021年7月7日 1時) (
レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
★ - 姫野？ってキャラいる？いなくても話成り立つしむしろいることによって今までの面白さが無くなって残念です。 (2021年7月6日 22時) (レス) id: 0324f0d530 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ひにゃ。さん» コメントありがとうございます！皆様の応援のおかげで書いてくることが出来ました…！！本当にありがとうございます！入試、頑張ってきます！！ (2020年9月3日 7時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
ひにゃ。(プロフ) - 続編おめでとうございます…！受験生にもかかわらず、更新して下さった主様は神です…！入試頑張ってください…！東京から応援しています…！主様が志望校に受かりますように…！ (2020年9月2日 22時) (レス) id: b37bb85b42 (このIDを非表示/違反報告)
善(プロフ) - 何となく方言わかった。だらー。 (2020年8月31日 23時) (レス) id: e2382ac4cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙羅
| 作成日時：2020年8月10日 21時
