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「そう言えば!
クルーウェル先生が呼んでいましたよ。」


『くるーうぇる……』


「とりあえず実験室に向かって下さい。
実験室は──────」





クロウリーの説明を聞いたAは

大人しく再び学校へ向かう。





校内ではすれ違う生徒達に

物珍しい目で見られるA。


それもそのはず。

だって女子なのだから。





「本当に女子じゃねぇか。」


「意外とカワイー顔してんじゃん。」





Aはそんな声を無視して歩き続ける。

だが、不埒な輩はいるもので。





『……わあ、』


「ちょっと俺らと遊ばね?」


「人が来ないとこ知ってるからさ。」





腕を掴む男子生徒数名。

Aはゆっくりと男子生徒達を見上げる。





『遊ぶ……?』


「そうそう。」





ニタァ、と唇の端を釣り上げたのは

男子生徒ではなくA。





『い〜いですねぇ。遊びましょう。
何して遊びます?
召喚獣を対決させて遊びますか?
それとも魔法陣から何が出るかなクイズとか?』


「「え"、」」


『あ、魔法を使わずに遊びますか?
順番に紐を切って当たりを引いたら指1本切るとか!
ほらほら、早く決めましょう?』


??「Bad boy!」





引きつった顔をする男子生徒達。

そのすぐ後ろで大きな声が響く。





クル「何をしている駄犬共!」


「ヒッ……ク、クルーウェル先生……!」


「す、すみませんでした!!」





バタバタと走り去る男子生徒達。

Aは腕を振り払われよろける。





クル「大丈夫か。」


『わ、ありがとうございます〜
えぇっと……くるーうぇる、先生?』


クル「ああ。
仔犬は……A・メイフィスであってるな?」


『仔犬……あってますよぉ。』





よろけたAを支えたクルーウェル。

軽く眉間を抑えながら背後の部屋を指し示す。





クル「とりあえず実験室に来い。
……話したいことは色々とあるからな。」


『……何も悪いこと言ってないです。』


クル「言い訳は後で聞く。」


『ぬぅ……』





Aはムッとした顔をしつつも

クルーウェルの後を追う。





「さて……と、」


『……』





クルーウェルは椅子に腰かけ

視線をゆっくり上げAと目を合わせる。





「仔犬、お前は女であってるな?」


『あってますよ〜』


「両親の了承は得ているんだろうな。」


『もちろん。』





父にはノリノリで追い出されましたよ、と

Aは笑った。

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作者名:沙羅 | 作成日時:2020年7月20日 8時

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