例外的入学【ツイステ】 (ページ5)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:780 hit

2 ページ5

no side

「女性を入学させるなんて
なんという異例な事態なんでしょう……！
ここ数十年でこんな事はありませんでしたよ！

ああ、それでも入学を許可するなんて
私なんて優しいんでしょう！」

ブツブツと話しているクロウリーの後ろを

Aはどうでも良さそうについて行く。

『がくえんちょー……
私の寮の色って何になるんですかぁ？』

「え？ああ、確かに……何色が良いですかねえ。
あ、その前に寮の名前を決めなくては。」

『う～ん……"シェオルバイデント"とかどう？』

「おや、決めていたのですか？」

『今決めた～』

あはは、と笑うA。

「シェオルは……"黄泉"。
バイデントはハーデスの持つ槍でしたっけ？」

『そうそう。
黄泉の槍って強そ～じゃない？』

Aが軽く人差し指を振ると、

キラキラと光が溢れて人の形に変わる。

『冥王ハーデスは私の祖先様なんですよぉ。
ﾀﾋ者を平等に裁くんです。』

光の人形は槍の様なものを振り回して

クロウリーの顔の前で胸を張る。

「ふむ……では寮の色は白と黒にしましょう。
勝敗をイメージして！どうです？」

『い～いですねぇそれ。
ふふふ、楽しくなりそうです～』

灰色の髪を揺らしてAは笑う。

広い学園を抜けてしばらく歩き、

鬱蒼とした木々の隙間にできた小道を抜ける。

「さあ、着きましたよ！
多少は陽の光も当たりますし洗濯物も乾きます！」

『おぉ……！』

一面が芝生で覆われており、

所々に木が生えているもののスペースは十分ある。

『造っちゃって良いです？』

「遠慮なくどうぞ。
あ、オーバーブロットには気を付けて下さいね！」

『あはは、そんなの滅多にならないですよ～』

えい、とAが手を広げると

辺り一面に光が溢れかえる。

『……──────』

徐々に光が消え、建物が姿を現す。

『かんせ～い！』

「これは素晴らしい……！
無駄のない造りで住みやすそうですねぇ。」

『んふふ、いつかこんな家に住みたかったの。』

バルコニーのある二階建ての家。

白と黒を基調とした落ち着いた外見をしている。

「やはり魔法力も量も申し分ないですねえ。
では、私はそろそろ失礼します。」

マジカルペンの石を見たクロウリーは

うんうんと頷いて背を向ける。

それからハッとした様に再び向き直った。