幼馴染は実力派【ハイキュー!!】【音駒】

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貴女side





『……』





タンッ……と私の背後で音がする。

嗚呼、懐かしい感覚だ。





「ナイスブロック！」





二口君の声が耳に届く。

嗚呼、嗚呼、嗚呼……！！！






『最っ高……！！！』



「「「！！」」」



『追分監督、これ何本打って良いんですか？
もしかして１本だけとか言いませんよね？？』






頬が緩むのが分かる。

鉄壁、いいじゃん。面白いじゃん。






「ｯ……！好きなだけ打って良いぞ。」



『ありがとうございます……！
じゃあ…………よろしくお願いしますね。』






ネットを挟む二口君、高伸君、黄金川君を見据える。





今の私はどんな顔をしているんだろう。





自分では笑ってるつもりなんだけど、

何でそんな怖いものを見るような顔してるのさ。






「ｯ……絶対止めんぞ！！」


「……！」


「っス！！」






次はどう打ってみようか。



もう１回ストレートを攻める？



木兎さんみたいなインナーも捨てがたいなあ。






『……女川さん、』


「ん？」






オープンって分かってたら止められちゃうもんね。






「本職セッターじゃないから失敗したらごめん。」


『大丈夫です。私も久しぶりなので。』






女川さんに頼んだのは

Ｂクイックの位置に２本連続で上げること。

これだけ。






次の１本は止められるだろう。

だから、重要なのは２本目だ。






反応的に私が"コート上の曲芸師"っていうのは

追分監督くらいしか知らなさそうだし……

中学の女バレの事なんて詳しくないだろう。






私が"左"でも打てるのはきっと不意をつける。







『お願いしますっ！』






後はどれだけ演出(フェイント)できるか。

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