幼馴染は頑張る【ハイキュー!!】【音駒】

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北side





Aが風呂から上がって俺も風呂に入り

湯船に浸かって夕方のことを思い出す。





「なんや別嬪さんになってたな……」





そら初めて会ったんは小学生やし

大人っぽくなってても何もおかしない。





背やって伸びるし、髪も伸びる。

……あかん。考えたらあかんわ。





「Aは親戚の子や……自分で言ったやろ……」





でも遠縁や。





「きっとAは気付いてない。」





血もほぼ他人やから繋がってない。





「ああ……そないな理由ばっかり探してまう。
Aはきっと、俺のことは兄弟感覚やろな。」





もどかしい。





今は、バレーが優先や。

バレーの後は受験勉強もある。





でも…………





パチン、と両頬を打つ。





「…………ちゃんとやんねん。
バレーも、勉強も、………………Aのことも。」






ザバ、と湯船から出て体を拭く。

今日はちょっと、のぼせてしもたわ。





白いTシャツに着替えて居間に向かう。

そういやAはどこで寝るんかな。





そんなことを考えながら居間の扉を開けると

畳に横になるA。





「……髪乾かしたか？」


『ｱｯ……』


「逃がさんで。」





イタズラが見つかった子どもみたいに

素早く逃げ出すAを捕まえる。





大人しく座らせてタオルで髪を拭いていく。





「暖かくなったとはいえまだ夜は冷える。
風邪ひいたら困るやろ。」


『すみません……』





拭いているうちに少しだけ体の力を抜いて

俺に寄りかかるA。

…………嫌な気はせんな。





「……髪綺麗やな。」


『ほんとー？信介君もサラサラだよー』





視界の端で水滴が落ちる。

俺の髪もまだ濡れとった。





「すまん、垂れた……ｯ」





無意識で落ちた水滴を目で追えば

Aの首筋を伝って落ちていく。





白い肌を滑るように水滴が……





『ん？ああ、大丈夫だよ〜私も髪濡れてるし。』





Aの声でハッとする。

そのまま無心になって髪を拭いた。





.






『ねえ、信介君。写真撮らない？』





Aの右手にはスマホ。

久しぶりに会った記念に撮りたいらしい。





東京ではすぐ写真撮りたがるって

ほんまのことやったんやな。(偏見)





『信介君が良ければインステァにも載せたい。』





インステァと言えば有名なSNS。

色んな人が見れるんよな。





……先手、取れるんとちゃう？





そう思った俺は頷いて了承の意を示した。

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