幼馴染は頑張る【ハイキュー!!】【音駒】

第１２話 ページ43

貴女side




『えー……やっぱ喧嘩になってたんだ、』


〔はい……本当に怖かったです……〕





字を打つのじゃ長くなりそうだと返信が来たので

音駒の部活が終わった後に通話を繋ぐ。





『何でなのかは知らないし、深くは聞かないけど
影山君も日向君もギクシャクしてたもんね。』


〔そ、そうなんです……〕





大方あれだろうなあ……試合中に何か言ってたヤツ。

よく聞こえなかったけど。





『それでそれで？
仁花ちゃんは何が(・・)知りたい感じ？』





変人速攻コンビが喧嘩したから怖かった、

それだけだったらちょっとビックリする。←





〔えっと……その、今はマネージャーで、
音駒高校のA先輩に言うのは違うかもですが、
A先輩ってオールラウンダーですよね？〕


『まあ中学時代はそう言われてたかな。』





ＷＳだけだと物足りなかったから。

ボールに沢山触りたかったから。

そんな不純な動機(？)で色々と極めた。





〔セッターをやったことって……ありますか？〕


『ポジションとしてはやったことは無いけど
試合中に臨機応変でやったことはあるよ。』


〔ど、どうやってやってましたか！？〕





うーん、と声が漏れる。

どうやって……か。





『私の場合は元々がＷＳだから
スパイカーの気持ちになってトスを上げてたよ。

どこに上げたら打ちやすいか、
どの速さで、どの角度でって全部を先読みするの。


こう言うとセッターに失礼かもしれないけど
セッターはスパイカーの踏み台なの。良い意味でね。
だって直接点を取るのはスパイカーでしょう？』



〔た……確かに……〕





現役のバレーボーラーさんごめんなさい。

偉そうなこと言ってごめんなさい。





〔で、では初めて合わせるスパイカーとは
どのような感じで……？〕


『それは全くの初対面？
それとも同じチームでプレーは見たことある人？』


〔お、同じチームです！〕





なるほどなるほど。

そうだねえ、初めて合わせる人ね……





『その人の性格が分かればやりやすいんだけど……
とにかく"誰でも打てるセット"をする。』


〔誰でも……？〕


『そう。誰でも。
クイックは厳しいからオープンで余裕をもってね。』


〔な、なるほど……〕





まあこれは基本中の基本であるトスの方法。

上手い相手には読まれることもある。

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