師範を嫁にしたい・参【鬼滅の刃】【宇髄天元】

漆拾伍 ページ13

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「カァ、伝言！伝言！よく聞けクソガキ！」


「あ"ぁ！？」





屋根に座っていたら

目立たぬ様になのか背後から叫ばれる。

本っ当に生意気な鴉だなコイツ。





「"ときと屋"の須磨は行方不明。恐らく鬼の仕業。
過去に鬼の出入りアリ。
美人な女は鬼も狙うとの読みで
鯉夏花魁を護衛対象とするように。」



「"ときと屋"か。
師範の読みは当たるからなあ……」



「主はこのまま偵察を続ける。カァ。
……オマエも変わらず警戒を続けろ！」






……待て。最後の師範からの伝言じゃねえだろ。

絶対に違うよな？その表情してる時点で。






「せいぜい死なぬようにしろ！ヘナチョコ！」


「んだとコラ！唐揚げにされてえのか！？」


「出来るものならやってみろ。カァ！」





俺が手を伸ばす前に飛び上がる烏。

何で師範の鎹烏なのに性格は真逆なんだよ。





「天元、天元。主、Aだ。」


「あ？」





烏が屋根の向こうを見ながら声を上げる。

目を凝らせば確かに人影。





『天元！
"京極屋"の女将さんは鬼の仕業だった。
それと彩雲、報告ご苦労。』


「カァ、また呼べ。」


『ありがとう。』





烏は飛び去って、師範は俺を見る。

"京極屋"の女将と云えば転落したってやつか。





「とすると……
鬼は"京極屋"をよく出入りしてるってことか。」


『そうだね。
明日は"京極屋"を訪ねてみようと思う。』


「ああ。頼むぜ師範。」





師範は頷いた後、

少し戸惑った様な音をさせた。





「……師範？」


『嗚呼、いや……
……須磨ちゃんを見つけられなくて申し訳ない。』


「！
心配ねぇよ師範。あの３人なら派手に問題ねぇ。」


『……そうは云っても心配なものは心配だよ。
京極屋の雛鶴ちゃんは特に心配だ。』





はぁ、と息を吐く師範。

師範は俺の嫁３人と凄く仲が良い。

嫁達も師範の事はとても信頼している。





だから今回着いて来てくれたんだろう。

男嫌いの師範がだ。





『天元も気付いていると思うけど、
今回の鬼は気配の隠し方が凄く巧い。
多分…………』


「上弦の鬼、だな。」


『うん。心してかかろう。』


「ああ。」





俺が頷いたのを見届けた師範は

素早く後ろに跳んで屋根から飛び降りた。





もうすぐ日が暮れる。

さっきより気を引き締めねえとな。

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