検索窓
今日:2 hit、昨日:12 hit、合計:46,269 hit

漆拾肆 ページ12

貴女side





『……じゃあ僕はそろそろお暇するよ。
お話してくれてありがとうね』


「ううん!」


「お兄ちゃんこそ梅の木をありがとう!」


『あはは、どういたしまして』





"僕"って変な感じだなーなんて思いながら

禿ちゃん達に手を振って中庭を出る。






軽く鼻を動かしてみるも

鬼の匂いは四方八方からして分からない。

しかも物凄く匂いが薄い。






『……こりゃだいぶ前に出入りしてるな。
連絡しておかないと……鯉夏花魁の事も……』





彩雲、と軽く名を呼べば

頭上を旋回して彩雲が腕に降り立つ。





「カァ、宇髄のガキに連絡か」


『相変わらず天元に厳しいね』


「ふん」


『……彩雲、天元に至急連絡だ。
"ときと屋"須磨ちゃんは行方不明。恐らく鬼の仕業。
過去に鬼の出入り有。
それと念の為に鯉夏花魁を護衛対象に。
美しい人ってのは鬼も好きだと思うんだ。頼んだよ』


「承知」





小さく頷いた彩雲は素早く飛び立っていく。

さて……次はどの店に行こうかな。





剪定道具の入った袋を担ぎ直して

花街の大通りをゆったりと歩いていく。





スン、と鼻を動かしてみるも

目立った鬼の匂いはしないし、音もしない。





『…………今日は外れか。』





やたらに動いて目立ったらまずい。

……情報収集するか。





花街の入口に戻って近くに生える木に触れる。

木は、私達よりよく見てる。





『こんにちは。』





木と呼吸を揃えそっと木の肌を撫でれば

枝の上にいた木霊がこちらを見る。





『ここら辺で鬼を見ませんでしたか?』





そう尋ねれば木霊はぴょこんと飛び跳ねて

花街の中を指さした。

……方角は"京極屋"がある方だ。





『……"京極屋"の女将さんが亡くなったのは
鬼が関係してたりするのかな。』





そう尋ねれば木霊は何度か頷いて

木霊は何故か2人になった。





片方がもう片方を抱え上げて空中に浮かぶ。

それからパッと手を離して落としてしまった。





『……!
そうやって、落とされてしまった……!?』





実演してくれたみたいだ。





ありがとう、と礼を言って

人目につかないところで屋根に飛び乗る。





これも天元に報告しておこう。

漆拾伍→←漆拾参



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (112 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
810人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 宇髄天元 , 愛され
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

沙羅(プロフ) - 三隣亡さん» コメントありがとうございます!!すっかり更新サボってすみません!また更新していきますね!!! (2020年12月28日 10時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
三隣亡 - とても面白いです!!これからも頑張ってください!続きを楽しみにしてます! (2020年12月28日 3時) (レス) id: 9280cade43 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 絢さん» コメントありがとうございます!ホントですか!うわぁぁ嬉しいです!!今テスト期間で更新できていませんが(受験生ということもあり…)また更新できるよう頑張りますね!! (2020年7月5日 22時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
- この話すっごく好きです!続きも楽しみにしてます! (2020年7月5日 21時) (レス) id: 456d2e2709 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ohagiさん» コメントありがとうございますー!!そう言って貰えて本当に嬉しいです!!もっと好きになって頂けるように頑張りますね!! (2020年3月21日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:沙羅 | 作成日時:2020年2月29日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。