捌 ページ10
貴女side
指先についた血を眺める。
だいぶ深くいったみたいだ。
『……不便だなぁ。感覚ないのも』
グリグリと傷口を押してみるも痛みのいの字もない。
……とは言っても私は無痛症ではない。
鈍痛や一瞬の痛みが感じにくい(感じない)だけで
しばらくすれば普通に痛くなる。
『何か拭くものあったかな……』
隊服の小物入れを漁って小さな布を取り出す。
ぎゅ、と傷口をおさえ呼吸をし血を止める。
『……よし、探すか。操り糸の鬼』
地面と木の幹を交互に蹴って大木の枝に飛び移る。
音のした方向を見据え
頭の中でどの幹を使って移動するか考える。
『よっ、…と』
枝を軋ませその反動で跳躍する。
それを繰り返し速度を上げていく。
『久しぶりに天元と鬼ごっこでもしたいね』←
昔は私が圧勝してたけど
今はちょっとどうなるか分からない。
そんな事を考えながらも
着々と鬼の居るであろう場所に近付いていた。
…………のだが。
『!』
「と、止まりなさいよ!!」
目の前に現れたのは
先程、累(?)に"姉さん"と呼ばれていた子鬼。
『…………何か?』
「アンタ、本当は女でしょ?
累も気付いて"姉さん"にするって言い出したの。
そんなの許さない。だからアタシがアンタを殺す」
この子いつの間に顔に傷つくったんだろう。
まるで糸で切られたみたいな。
『……脅されてるの?累とやらに』
「ッ!!そ、そんな訳ないじゃない!!」
怯えたように叫ぶと
何やら手からめっちゃ糸を出してきた。
『えぇ……スパイ○ーマンじゃん……』←
「何を言ってるの!?!?」
それをサッとかわすと糸玉みたいになって転がった。
え、まさか閉じ込められる系?
『わかった。戦う、戦うよ君と』
「ふ、ふん……」
思い詰めた顔してる子だな、なんて
そんなことを考えながら攻撃をかわす。
『全集中……木霊の呼吸【壱ノ型・樹冠の遠慮】』
飛んでくる糸束を呼吸を駆使して斬っていく。
「なっ…アタシの糸は斬れない筈……!!」
『確かに弾力があるのに芯があって強い糸だね』
口ではそう言いつつ、いとも簡単に糸を斬っていく。
糸だけにってか。やかましいわ。
「チッ……!」
私の斬撃を回避しようとするのを先読みして
さらにもう一度、強く斬り込んでいく。
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沙羅(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます!!宇髄さんカッコイイですよね……!!もっとカッコイイ宇髄さんを書けるよう頑張りますので、ぜひ続編の方もよろしくお願いしますー!! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - コメント失礼します!宇髄さんは私の推しなので、すんごいかっこいいなあ…。とか思いながら見てます!頑張ってください! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 4db94b3ad0 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - めぐちゃんさん» コメントありがとうございますっれ分かります…宇髄さんカッコイイですよね!もっと夢主を素敵な女性に書けるよう、頑張りますね! (2020年1月11日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃん - コメント失礼します!!宇髄さんはカッコいいし夢主ちゃんもかわカッコよくて面白いです。頑張って下さい! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0087c5132c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年12月29日 21時