漆 ページ9
貴女side
『……そこか』
微かに聞こえてきたのはキリキリという
何かを巻き上げるような音。
『しかし木霊の呼吸が便利すぎる……』←
この【漆ノ型・芝蘭玉樹・感】は
刀を持たない状態でも使うことが出来る。
集中力を高めることで
視覚、聴覚、嗅覚の精度を上げられるのだ。
『お陰で鼻も曲がりそうだけどね!!くさい!』←
蜘蛛から出て空中を漂う操り糸を斬りながら
コレの元凶である鬼の元に向かう。
……誰かいる。
それも背後。否、頭上か。
「ねぇ」
『…………』
刀を構えつつ振り向き上を見る。
……白い、子ども?
「アンタも僕たち家族の暮らしを邪魔しに来たの?」
『家族……?』
「そう」
この子は……強いな。
まさか、十二鬼月だろうか。
『別に邪魔しに来たつもりは無いさ。
仲間が苦しんでる様だから……助けに来た』
「……!助けに……」
鬼の雰囲気が変わった。
何だ……?
「ねぇ、僕の"兄さん"になる気は無い?」
『は……?』
「血も繋がってない他人を助けに来るなんて
凄い立派なことだと思うんだ。普通じゃ出来ない」
いや待って。とりあえず性別違うから。
兄さんちゃうねん。強いて言うなら姉さんや。←
『つまり家族になれ、と?』
「そういうこと。…どう?悪い話じゃないでしょ?」
何だろうなあ……この子。
使い捨ての駒が欲しいならそう言いそうなのに
本当に"家族"が欲しいみたいだ。
『理由を聞いても?』
「アンタなら僕を守れるだろ?
強い者が弱い者を守る…当然のことだ。
見た感じアンタは相当強そうだし」
『なるほど』
守って欲しいってことでおけ?←
君絶対守られる側じゃないよね??
『そうだなぁ……』「累!!」
誰だい私の言葉に重ねた奴は。←
「何、してるの」
「……姉さん」
『姉いるやん』←
「兄さんも欲しいの」←
ムッとした顔で反論する累(?)。
え、可愛い。←
「とにかく、考えといてよ。
僕の兄さんになるなら酷い目には遭わせないから。
でも……ならないなら─────」
ヒュ、と小さく音がして
目の端にキラリと光る何かが映る。
「こうなるから」
どうやら糸で頬を切られたようだ。
痛くないから分からなかった。
「……表情ひとつ変えないなんて面白いね。
………………行こう姉さん」
「え、ええ……」
仲良く(?)去っていく姉弟を見送って
頬に手を当ててみる。
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沙羅(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます!!宇髄さんカッコイイですよね……!!もっとカッコイイ宇髄さんを書けるよう頑張りますので、ぜひ続編の方もよろしくお願いしますー!! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - コメント失礼します!宇髄さんは私の推しなので、すんごいかっこいいなあ…。とか思いながら見てます!頑張ってください! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 4db94b3ad0 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - めぐちゃんさん» コメントありがとうございますっれ分かります…宇髄さんカッコイイですよね!もっと夢主を素敵な女性に書けるよう、頑張りますね! (2020年1月11日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃん - コメント失礼します!!宇髄さんはカッコいいし夢主ちゃんもかわカッコよくて面白いです。頑張って下さい! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0087c5132c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年12月29日 21時