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着物に着替えて部屋を出るA。

屋敷中が騒がしい。





『……伯母様』

「嗚呼、ご愁傷様ね。
アナタは話の邪魔になるからお庭で遊んでなさい。」




実の両親を亡くした少女を

今後の話し合いに参加させない者がいるだろうか。




Aは頷くしかなく

使用人の菫と共に庭に向かった。




「……お嬢様、(まり)で遊びましょうか……?」

『うん……』




色鮮やかな手毬とは対象にAの表情は浮かない。




『菫さんは……どうなるの?』

「…分かりません。解雇になるかもしれませんから。」

『かいこ……?』

「お仕事を辞める、ということです。」

『えっ……』




ポト、と手から毬が転がり落ちる。




『ち、父上が死んだから?
だから、菫さんが辞めなきゃいけないの?』

「私はお嬢様のお父上様……
旦那様に雇われた身ですから仕方ありません」

『やだ、やだよ!菫さんは家族だもの!
ううん、家の人はみんな、みんな家族よ!』





菫がそっと膝をつきAに手を伸ばす。





「ありがとうございますお嬢様……
とても嬉しいお言葉です。
……私も、叶うならお嬢様と過ごしたいです。
でも、私は何も意見できませんから。」





Aの手に自らの手を重ねる菫。

Aは悲しそうにその手を撫ぜた。





『……ッ、なら、今日はたくさん遊ぼう?
訓練しなくても怒られないから、……だめ?』

「……!ええ、ええ、勿論!遊びましょうお嬢様!」





菫は先程までの悲しみを振り払う様に笑い

毬で遊んだり、草花を教えあったり、空を眺めたり。

今まで許されなかった分、存分に遊び倒した。




.






「A」





そう名を呼ばれたのは陽が傾きかけた頃だった。






『伯母様……』






「話し合いの結果アナタを引き取ることにしたわ。
葬儀を済ませたら私の家に来なさい。

嗚呼、あとその使用人はクビ。
この家で雇っていた使用人は全員よ。

葬儀の手伝いが最後の仕事になるから……
終えたら荷物をまとめて出て行きなさい。」






『!!』

「!……畏まりました。」





頭を下げる菫。

Aは震えながら菫の手を握った。





『すみれさん……』

「お嬢様、今日はとても楽しゅうございました。
今まで生きてきた中で一番です。

そして、大変お世話になりました。
あと僅かではありますがよろしくお願い致します。」





そう言って、菫は笑った。

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沙羅(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます!!宇髄さんカッコイイですよね……!!もっとカッコイイ宇髄さんを書けるよう頑張りますので、ぜひ続編の方もよろしくお願いしますー!! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - コメント失礼します!宇髄さんは私の推しなので、すんごいかっこいいなあ…。とか思いながら見てます!頑張ってください! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 4db94b3ad0 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - めぐちゃんさん» コメントありがとうございますっれ分かります…宇髄さんカッコイイですよね!もっと夢主を素敵な女性に書けるよう、頑張りますね! (2020年1月11日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃん - コメント失礼します!!宇髄さんはカッコいいし夢主ちゃんもかわカッコよくて面白いです。頑張って下さい! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0087c5132c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年12月29日 21時

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