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no side
それから毎食に毒が混ぜられるようになった。
同時進行で武器の使い方も教え込まれる。
一ヶ月目。
腹痛と吐き気に耐えて弱い毒を克服。
吐き気の中、庭で木刀の素振り。
二ヶ月目。
強くなった毒で寝込みながらも何とか慣らして克服。
ふらつく体に鞭打って走り込みと素振り。
四ヶ月目。
さらに強くされた毒を取り込み
何度も意識を飛ばしたが克服。
筋力を上げるための鍛錬を開始する。
八ヶ月目。
複数の種類の毒は克服し終えた。
市販される薬すら効かなくなっていた。
成人女性程度の体力はついた。
一年目。
Aから感情が消えた。
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「……アンタ、もう毒効かないんだってね。」
引き取られて三年。
唐突に伯母がそう言った。
『……』
「つまんないわねぇ。ホント、つまんない。」
伯母の手には小瓶と筆。
Aはただただ黙って見ていた。
「あら、ちょうどいいわ。この子、抑えといて。」
呼び止められた伯母の息子。
ニヤニヤと嫌な笑顔を貼り付けてAを捕まえる。
「何かと毒を混ぜてるから悪いのよね。
直接取り込まなきゃ駄目なのよ。」
伯母は筆を小瓶に沈める。
『……!』
透明な液体が筆から滴り落ちる。
「はい、口開けて。」
『や……!』
顔をそむけるも背後の息子がそれを止める。
『ん〜!!んんん!!』
「言うことを聞きなさい!!!」
無理やり口をこじ開けられ筆が舌の上に滑らされる。
『ッ〜〜〜!!!!!』
舌をとてつもない激痛が襲う。
痛みと痺れ、焼けるような熱さ。
Aの双眸からは涙がこぼれる。
「いい気味!それで毒に強くなるわよ!!
良かったじゃない!妹のようにならなくて!!」
「母さんってば、妹のことは言ってやるなよ!
この子が可哀想じゃないか!」
「あら、それもそうねぇ!!あはは!」
廊下に投げ出されたAは
舌を水で洗うためにヨロヨロと立ち上がる。
『ハァーッ、ハァーッ……ッう"ぇぇ……ッ』
ゴシゴシと舌を擦れば水に血が混じる。
舌の表面が毒ですこしばかり溶けていた。
『う"……う"ぅ…………』
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その日以来、Aは味覚を失った。
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辛味、甘味、苦味、塩味の濃い味は分かるものの
旨味など繊細な味覚は使えなかった。
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沙羅(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます!!宇髄さんカッコイイですよね……!!もっとカッコイイ宇髄さんを書けるよう頑張りますので、ぜひ続編の方もよろしくお願いしますー!! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - コメント失礼します!宇髄さんは私の推しなので、すんごいかっこいいなあ…。とか思いながら見てます!頑張ってください! (2020年1月30日 21時) (レス) id: 4db94b3ad0 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - めぐちゃんさん» コメントありがとうございますっれ分かります…宇髄さんカッコイイですよね!もっと夢主を素敵な女性に書けるよう、頑張りますね! (2020年1月11日 14時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
めぐちゃん - コメント失礼します!!宇髄さんはカッコいいし夢主ちゃんもかわカッコよくて面白いです。頑張って下さい! (2020年1月11日 0時) (レス) id: 0087c5132c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年12月29日 21時