No.１６０ ページ28
no side
『じゃ……帰る、ね』
「……そうか。
まあ明日も学校だからね。しっかり休めよ」
『…………うん』
Aは小さく頷いて背を向ける。
相澤もAも何か言いたげだったが
どちらも口を開くことは無かった。
『おやすみ、消太』
「お休み」
パタン、と閉まった扉。
Aは両手で頬を叩いて足早に自分の家へ向かう。
コツコツとローファーの足音が夜道に反響する。
Aはしばらくして、もう一つの足音に気付く。
『……！』
歩く速度を速めるAの腕を
背後から近付いた者が掴んだ。
『ｯ……って消太……！？』
反射的に背負い投げの体制をとったAだったが
腕を掴んでいるのが相澤だと気付き慌てて止める。
「……躊躇なく背負い投げする度胸は認めるよ」
『……腕を掴んだ消太が悪いんだよ(正論)』←
「悪かったよ。……やっぱ送ろうと思ってね」
『！あ、ありがとう……？』
Aは首を傾げながら礼を言い
相澤はポリポリと頬を掻きながら横に並んだ。
「……そう言えば」
『？』
「何でまた急に"告白"の話になったんだ？」
『そ、れは……その……』
Aはリカバリーガールに言われた
"どんな関係になりたいのか"という事を伝える。
「なるほどね。
それでAは俺が父親だと嫌っつった訳か」
『うん……
"お父さん"は怖いものだと思ってたけど、
出久や勝己が言う"お父さん"は怖くないって知って
そんな"お父さん"なら良いなって思ったの』
「……A」
『なに？』
相澤は前を向いたままAの名を呼ぶ。
Aは少し相澤を見上げて返事をした。
「俺は"父親"にもなれるし"他人"にもなれる。
俺がどうなるかはA次第なんだよ」
『私次第……』
「そう。どうしたいかはゆっくり考えてくれ」
Aは指をあごに当てて考える。
それから右手を相澤に差し出した。
「？」
『今は、やっぱり分かんない。
だから…こうやって、手を繋げれば今は良いや』
ね、とAは微笑して相澤の手を取る。
一瞬ぽかんとした相澤だったが相澤もふ、と笑うと
そうだね、と返し優しくAの手を握り返した。
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ruroru - 始まりがすでにおもろい好きです←唐突な告白 (2020年11月24日 17時) (
レス) id: c6275a7ae2 (このIDを非表示/違反報告)
エリィ - きぇぇ可愛っきえええぇ (2020年1月5日 10時) (レス) id: 09090d6677 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - 十華さん» コメントありがとうございます！相澤先生推し仲間がいて嬉しみの極みでございます…！精一杯、書かせて頂きますので、どうぞ今後ともよろしくお願いします！！ (2019年12月6日 7時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
十華 - 初コメです。１時間足らずで読み終わりました………！すごく面白かったです。相澤先生推しなので最高です。お忙しいと思いますが更新頑張ってください！！ (2019年12月4日 2時) (レス) id: ce818eaa7d (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - Aさん» コメントありがとうございます！本当ですか……！？嬉しいです！！頑張りますね！！続編出る予定なので是非！そちらの方もよろしくお願いします！！ (2019年12月2日 17時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙羅
| 作成日時：2019年8月27日 18時
