無気力系女子Part２【ヒロアカ】【相澤消太】

No.５１ ページ8

貴女side



やだやだやだやだやだやだ──────





「〜〜〜っ！！！！！」





折られた足よりも、心の方が痛かった。





消太が、私のせいで、私がいたせいで

消太の腕を折られてしまった。





「"個性"を消せる。
素敵だけどなんてことはないね。
圧倒的な力の前ではつまりただの"無個性"だもの」





とむら、がそう言う。

私は色んな痛みで意識が飛びそうだった。





「ぐぁ…！！」





"脳無"が消太の左腕も潰す。





『とむ、ら…おねがぃ……やめて……』

「……Aのお願いかあ」





とむらは楽しそうに言う。

おねがい、やだよ、消太が傷付くのは見たくない。





「Aが敵連合(ウチ)に来るなら考える」

『ｯ！？それは……』




"脳無"が消太の頭を掴むのが横目に見えた。





嫌な音がする。

消太の頭は地面にめり込んだ。





『うっ……消太、消太ァァァ！！！』

「何だよ。消太、消太って……気に食わない」




頭上からとむらの手が伸びる。




「そんなにイレイザーヘッドが好きなら
お揃いにしてあげようか？」

『は、』




消太に伸ばしてい右肘に

親指、人差し指、薬指、小指………と

とむらの手が置かれていく。




中指が置かれたら、私の肘は崩れる。




慌てて右腕に意識を集中して炎を纏う。

弱々しい炎だったがとむらは手を離した。




「死柄木 弔」

「黒霧 １３号はやったのか」




とむらの背後に現れたモヤ。




「行動不能には出来たものの
散らし損ねた生徒がおりまして……
一名 逃げられました」

「…………… は？」




１３号先生が、行動不能？





「は──────…」

とむらは首を掻き始めた。




「はあ──────」

両手で搔いている。……怖い。




「黒霧おまえ…
おまえがワープゲートじゃなかったら
粉々にしたよ…」





……味方も、そんな扱いなのか。





「さすがに何十人ものプロ相手じゃ敵わない。
ゲームオーバーだ。あーあ…
今回は(・・・)ゲームオーバーだ。帰ろっか」




……ゲームオーバー？

人を、傷付けるのがゲームなの？




思わず唇を強く噛む。




「とりあえず今日はAに会えたから満足。
本題はまた今度ね。大人しく帰るよ。

けどもその前に
平和の象徴としての矜恃を少しでも──────」




とむらが振り返る。

その視線の先には……梅雨ちゃん？





『梅雨ちゃんｯｯ！！！』





力の入らない足を炎で無理やり補強して跳んだ。

No.５２→←No.５０

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す