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駄菓子が三十五こ ページ38

貴女side


痛い……

締め付けられた手と首を擦りながら

玄関へ回る


貴女『怖かった……』


手が濡れているような気がしたから

多分、出血もしているのでしょう


でも傷口は見えないから

治療のしようが無い


貴女『この辺…かしら』

指先でツンとつついてみると

想像を絶する激痛が走った


貴女『痛っ……』






お風呂でしみたのは言うまでもない


寝室へ向かうべく廊下を歩いていたら

路地が騒がしかった


貴女『彼は…何だったのでしょうか……?』


まだ腕は痛かったし液体が

流れている気もしたけど

取敢ず包帯で腕全体を覆い寝る事にした



────翌朝



貴女『さて…戸を開けに行きましょう』

寝間着から何時もの着物に着替え

髪を結う。今日は蒼い簪を付ける


茶箪笥(ちゃだんす)の上に左から

紅・蒼・翠の簪が置いてある

これはお店で色を聞いて買い、置いたもの


貴女『着物も買いに行かないと……』


裾をつまみほつれた処を触る


……腕の傷はいつ治るかしら


ぼんやり考えながら鎧戸に鍵を差し

右腕が斬られたようなので

左腕で懸命に押し上げる


何時も思うけどこの鎧戸は重たい


ガラ…ガ…ラ…ガッ…ガシャッ……


貴女『引っかかった?』


嘘…何故今日なのでしょう

左手しか使えないと云うのに……


ガシャガシャと押したり引いたりしてると


手が滑った


その拍子に引っかかっていた鎧戸は

物凄い音を立てて締まり始めた


気づいた時には時すでに遅し



鎧戸と地面にある金具(レールのような物)に

脚を挟まれてしまった

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作者名:沙羅 | 作成日時:2017年3月19日 16時

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