10話 ページ11
貴方side
治に渡された鍵をポケットに入れ
探偵社からほど近い路地裏に入る。
貴方『冷蔵庫には大して入ってなさそうだし……
ちょっと遅くなっても大丈夫だよね』
財布はそこそこ潤っている。
……蟹くらい購える…………筈。
見慣れた路地を歩き、ふと足を止める。
貴方『……善い時間だ』
少しだけ歩みを速めて素早く路地を抜ける。
ちょっとした駐車場にはアストンマーティン。
貴方『うふふ、間に合った』
そこからさらに進めば
屋上に人影が見えるようになり
とある探偵事務所も見えてきた。
貴方『さて……と、此方も久しぶりの再会だね』
私はアンティーク調の扉を開く。
……ノックして無いけど善いか。
貴方『行人くーん!元気かい!?』
綾辻「……出口は直ぐ後ろだ」
貴方『うふふ、面白い事を云うね。帰らないよ』
──────綾辻行人。
犯人を"殺 人"する探偵。
綾辻「だろうな。まぁ入ってくれ」
貴方『お邪魔しまぁす』
紫煙の漂う室内は
少しばかり時の流れが遅く感じた。
貴方『いやぁ…"特一級危険異能者"も大変だねぇ』
綾辻「Aこそ十分に危険な異能者だろう」
貴方『ちょ、それは秘密だって……』
そう…私の異能【斜陽】も
極限まで使うと精神操作として利用できる。
バレたら面倒なのだよ??
綾辻「監視も悪いものじゃないぞ」
貴方『堅苦しいのは嫌いだし遠慮するよ』
綾辻「それは残念だ。……ところでA」
綾辻「今まで何をしていた?」
貴方『そりゃあ生きる為には色々と』
綾辻「……そうか。まぁ善い。おい、辻村君」
直ぐに興味なさげな表情をした行人君は
部屋の奥にいるであろう人の名を呼んだ。
辻村「何ですか?私、もう上がりなんですけど…」
綾辻「客人だ。茶を淹れてくれ」
辻村「客人?」
貴方『はぁい!久しぶりだね深月ちゃん!』
辻村「えっ!?Aさん!?」
深月ちゃんは驚きながら
先輩に連絡……とか呟いている。
綾辻「辻村君」
辻村「あっ、は、はい!今淹れます!」
バタバタと台所まで駆けていく深月ちゃん。
貴方『……上手いこと使ってるね』
綾辻「それが辻村君の良い所だ」
貴方『否定は出来ない』
私は苦笑してから適当に手近な椅子に腰掛け
行人君の顔を覗き込んだ。
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沙羅(プロフ) - キミナさん» 閲覧ありがとうございますー!ホントですか!?嬉しいです!!その他リクエストも受け付けてますのでお願いします(笑) (2019年7月8日 7時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
キミナ(プロフ) - リクエストありがとうございます!とても良かったです! (2019年7月7日 21時) (レス) id: e2ae360d42 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - オンさん» 更新後の閲覧ありがとうございます!喜んで頂けて私も嬉しいです!今後のリクエストも是非お願い致します(笑) (2019年7月5日 7時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
オン - ああああああ、ありがとうございました!自分が思っていたよりもとっても素敵でした。コメントの返事や、リクエストの更新、本当にありがとうございました(^~^) (2019年7月4日 20時) (レス) id: 8d5683d37d (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - キミナさん» リクエストありがとうございます!一つづつリク消化して書かせて頂きますね! (2019年7月4日 15時) (レス) id: 1f154ecd75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年6月12日 7時