きゅうじゅうご ページ3
貴女side
治くんに云われた言葉が脳内を駆け巡る。
きっと、大丈夫。
だってパパもママも一般人だった、でしょう?
きっと悪いことなんてしてない。
だから、大丈夫。
楼閣の入口に立つ黒服さんに
軽く挨拶をして中に入れて貰う。
そのまま
二階の通信保管所に向かう。
保管所の扉に伸ばした手が震える。
一度、大きく息を吐いてそれから扉を開けた。
織田「…お疲れ、A」
貴女『ありがとう作くん』
作くんは座っていた椅子から立って
私の方へ歩み寄る。
織田「走ってきたのか?」
貴女『あ、う、うん…まあ……』
髪が乱れてる、と作くんが私の頭を撫でる。
それがさっき迄の焦りを消してくれた。
織田「それで、だな……調べたのはあれだ」
貴女『…』
作くんが指さした先には
机の上に置かれる二つの青いファイル。
織田「一つは……現状についてだ。
もう一つは……最初のを読めば判ると思うが……」
貴女『うん、ありがとう!読んでみるね』
嗚呼、と作くんは云って部屋から出ていく。
きっと気を使ってくれたんだと思う。
私はさっき作くんが座っていた椅子に座り
一冊目のファイルを開いた。
そこには──────
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作者名:沙羅 | 作成日時:2019年5月13日 15時